56.環境モニタリング技術の農業・養殖業への応用のために(2023年6月13日)

2023年6月13日

東京農工大学の桂准教授が日本側リーダーを務める本プロジェクトの社会実装No. 11は、ベトナムメコンデルタ地域の農場・養殖場の環境や水質をモニタリングし、ICTを活用してその情報を管理する統合情報システムを開発することで、メコンデルタの人々の農業・養殖業の経営や生産の安定に寄与していきます。このシステムは、専門家や政策立案者だけでなく、実際に農業を担っている人々がスマートフォンのアプリでモニタリング情報を活用することを目指し、営農の計画や管理の意思決定を、環境変動が農業・養殖業に及ぼす損害を最小限に抑えながら、農家自身でも行うことにより、持続的な生産活動が可能になっていくと期待されます。とはいえ、環境データ収集によるいわゆる「スマート農業技術」の実装にはまだ多くの課題があるのも事実です。例えば、メコンデルタの稲作や水産養殖における課題の正確な現状把握が必須です。この課題に取り組むために、本プロジェクトの社会実装チームNo. 1(稲作チーム)およびNo. 7(水産養殖チーム)と連携し、農学(農業技術)の専門家、水産学の専門家、さらに工学の専門家が十分な意思疎通をして連携して研究を進めていますが、今回来越した桂先生から、改めて、異分野が相互に十分意思疎通し連携しながら研究を進めていくことが特に必須と強調され、関係者の共通認識を得ることが出来ました。

社会実装モデルNo. 1(稲作チーム)が比較試験を行うソクチャン省の水田(播種直後)の画像

社会実装モデルNo. 1(稲作チーム)が比較試験を行うソクチャン省の水田(播種直後)

社会実装モデルNo. 1(稲作チーム)のソクチャン省の実験水田において、社会実装モデルNo. 11が水位計設置のための予備情報を収集(左からモデルNo. 1チームリーダーのニアさん、東京農工大の桂先生、水田利用者の農家、モデルNo. 11のメンバー研究者、同モデルリーダーのタイさん、田中チーフアドバイザー)の画像

社会実装モデルNo. 1(稲作チーム)のソクチャン省の実験水田において、社会実装モデルNo. 11が水位計設置のための予備情報を収集(左からモデルNo. 1チームリーダーのニアさん、東京農工大の桂先生、水田利用者の農家、モデルNo. 11のメンバー研究者、同モデルリーダーのタイさん、田中チーフアドバイザー)

キエンザン省ホンダット県の水田に水位計を設置(遠隔自動計測しスマートフォンでデータを収拾できる)の画像

キエンザン省ホンダット県の水田に水位計を設置(遠隔自動計測しスマートフォンでデータを収拾できる)

東京農工大の桂先生によるセミナー「途上国における作物の生長と収量の正確な評価手法の開発」をCTU農学部で実施の画像

東京農工大の桂先生によるセミナー「途上国における作物の生長と収量の正確な評価手法の開発」をCTU農学部で実施