Son La省Moc Chauの日本企業を視察しました

2023年4月12日

2023年4月11日~12日

標高1,050メートルに位置するSon La省Moc Chau は一年中涼しい気候に恵まれることから、”ベトナム西北地帯のダラット(注)”とも呼ばれ、避暑地として多くの観光客を魅了しています。近年Moc Chauでは盛んに農業が行われ、ハノイなど大都市への農作物の一大供給地として注目を浴びています。

4月11日~12日の2日に亘り、日本企業による農業高付加価値化・バリューチェーンの取組を学びプロジェクト関係者間での意見交換を行うことを目的として、Son La省Moc Chauの企業視察を企画しました。このプログラムには、CPMU(Central Project Management Unit)とSon La PPMU(Provincial Project Management Unit)の代表メンバー、Son La省のプロジェクト対象農協の代表に加えて、農業・農村開発省国際協力局副局長、JICAベトナム事務所員やJICA専門家など、約30名が参加しました。主な視察先企業は以下の通りです。

佐藤園ベトナムでは、茶葉の品質維持のための取組や加工処理技術が紹介されるとともに、今後の企業活動計画や課題などが共有され、農業・農村開発省やSon La省農業・農村開発局からの参加者と活発な意見交換が行われました。

ニコニコ野菜では、持続的に有機農業を実践するための苦労や、日本の技術を導入したコンポスト作りなどが紹介され、参加者は興味深く話を聞いていました。CPMUからは「このような日本の有機農業の技術を他の農家にも紹介し普及していきたい。」という意見が出されました。

日越農産では、総合的病害虫・雑草管理(Integrated Pest Management:IPM)に関する説明や流通・市場に関する取り組みについて質疑応答が行われました。同社は、一つ一つ丁寧に栽培管理をするといった様々な試みを行っており、参加者からは高い関心が示されました。

今回の視察には農業新聞やVTC16などのメディアも同行し、それぞれの企業の活動や、今回の視察の目的、JICAプロジェクトの取組などについてインタビューされました。

プロジェクトでは、バリューチェーン関係者間の連携強化に向けて、安全作物バリューチェーン強化に関する取り組みや課題を共有・理解し合える機会を引き続き設けて行く予定です。

(注)ラムドン省ダラットは中部高原に位置する観光都市で、フランス植民地時代に避暑地として開発された。標高1,475メートルにある街は、暑い時期でも湿度は低く快適な気候条件となっている。冷涼な気候を利用した高原野菜の生産も盛んであり、「ダラット野菜」として国内消費者に広く知られている。

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加工工場視察の様子(佐藤園ベトナム)

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Moc Chauに広がる茶畑(佐藤園ベトナム)

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参加者との意見交換(佐藤園ベトナム)

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コンポスト作りについて説明を受ける参加者(ニコニコ野菜)

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土壌管理等の説明(日越農産)

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VTC16によるインタビュー・撮影(日越農産)