Exposure Visitを実施しました

2023年5月24日

2023年5月23日~24日

プロジェクト対象農協の知識向上のために、参加者間の意見交換・技術紹介、他農協の取組を学ぶExposure Visit(先進農協視察)を企画・実施しました。視察参加者は、Ha Nam省でライチを栽培するNguyen Uy農協、Hung Yen省でオレンジを栽培するNguyen Hoa農協、Hai Duong省でドラゴンフルーツを栽培するBach Dang農協、Son La省でカスタードアップルを栽培するBao Sam農協の各代表者、CPMU(Central Project Management Unit)とPPMU(Provincial Project Management Unit)、総勢28名です。

今回のExposure Visitは、Son La省にて果物生産販売を行う2つの農協を訪問しました。
初日に訪問した Quyet Thanh農協は、梅、柿、梨など多種類の果物生産に取り組んでおり7割が生鮮の状態で市場へ流通、残りの3割は長年に亘り加工技術の研究を重ねたドライフルーツ等の加工製品として販売しています。同農協ではVietGAP等の安全認証の取得やOCOP(One Commune One Product、ベトナム版の一村一品)の認証を受けるなど品質管理に対する拘りや、オンラインやSNSを使った消費者の需要傾向に応える販路方法について説明がなされました。
翌日に訪問したChieng Hac農協は、20年以上前にマンゴー生産を始めましたが、当時は親戚家族や地元地域で消費するのみでした。しかしながらSon La省の観光需要が高まるにつれてバイヤーから同地域の果物生産への関心が集まり、トレードプロモーション等のイベント参加により輸出市場など販路拡大に繋がりました。同農協のマンゴー生産はオーガニック基準に準拠しており、それらの製品は通常生産品よりも5割近い高値で取引されるそうです。果物の状態が良いものとそうでないものを選別し、良いものには一つ一つ丁寧に袋掛けをするなど、状態によって等級ごとに販売先の要求に応えているとのことでした。

参加した農協の方々は、訪問先の農協の代表者に対し生産技術や収穫後処理等に関する質問を行い、その後も訪問先の農協の連絡先を聞き今後も連絡を取り合う約束を取り付けるなど、熱心な様子が印象的でした。参加者からは「環境に配慮した栽培、収量と品質改善のための剪定技術の重要性を学んだ」「既存顧客の維持と新規顧客の開拓には、継続的な品質改善と魅力的な新商品開発が必要である」「視察での学びを生かして、生産、マーケティング、組合管理活動の改善に取り組みたい」等のコメントが寄せられました。

プロジェクトでは、先行した活動に取り組む農協・生産者の経験共有等を通じ、対象農協の安全作物生産及び経営能力の向上を支援しています。

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参加者からの質問の様子。(Quyet Thanh農協)

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農協の加工施設を視察。(Quyet Thanh農協)

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OCOP認証を取得したドライフルーツ製品売り場。(Quyet Thanh農協)

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マンゴー生産地の入口。立て看板に使用禁止農薬など記載。(Chieng Hac農協)

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マンゴー栽培技術に関する質問が多く挙げられた。(Chieng Hac農協)

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マンゴー栽培技術に関する質問が多く挙げられた。(Chieng Hac農協)