ヘルスセンターを対象にした高血圧と糖尿病の研修会開催

2018年5月28日

一次レベル医療施設を対象にした高血圧と糖尿病に関する改訂版研修教材が完成、その後南部州のプロジェクト対象地域で研修を開催。

ザンビアにおいても食生活など生活習慣の変化に起因する高血圧、糖尿病は重要な健康課題となりつつあります。2017年にはザンビアで初めてとなる全国規模の非感染性疾患(Non-Communicable Diseases、NCDs)に対する調査が実施され、高血圧、糖尿病を含む慢性的な疾患に対する関心も高まるなか今後の対策について議論がされはじめています。

現状、ザンビアでは基礎的保健サービスを提供する一次レベル医療施設のヘルスセンターなどでは、高血圧や糖尿病に対する診断や治療のサービスは十分ではなく、住民への啓発活動もあまり行われていない状況です。これは検査器具や検査試薬の不足、治療薬の不安定な供給などの課題とともに、これまで医療従事者がNCDsに関する研修を受ける機会が限られており、その意識や知識が不十分であったことが原因の一つと考えられます。

そこでプロジェクトでは、プロジェクト対象地域においてNCDsの中でも高血圧、糖尿病に対する研修の要望が高いことを確認、郡年間詳細計画(District Specific Activity Plan)の支援の一環として研修教材の作成、そして郡レベルで独自に研修を実施できるような支援を行ってきました。

まずは一次レベルの医療施設従事者を対象にした研修教材の作成から取りかかりました。ザンビアの糖尿病と心血管疾患を専門とする医師グループの力を借り2017年に第1版となる教材を作成、同年にルサカ州のプロジェクト対象地域であるルサカ郡とチョングエ郡で研修を行いました。その後2017年の経験を踏まえ今年4月に改訂版教材を作成、同月南部州のプロジェクト対象地域であるチョマ郡とカロモ郡で研修を開催しました。研修は第1段階としてプロジェクト支援のもと各郡で研修を展開していくためのトレーナー養成の研修(TOT研修)を行い、その後第2段階として郡保健局独自の力でトレーナーたちが地域の中心となるヘルスセンターに関係者を集め郡内全てのヘルスセンターをカバーするよう研修を展開していきます。

プロジェクトでは昨年研修が完了したチョングエ郡においてこの研修の効果について調査を行っており、その結果を保健省やNCDsに関わる関係者に共有してく予定です。

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研修会の様子

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高血圧と糖尿病の改訂版研修テキスト