日本においてカウンターパート研修を実施

2018年7月12日

5月5日~5月20日

プロジェクト対象地域郡のカウンターパート5名が日本での2週間の研修に参加。

プロジェクトでは、活動対象地域となる4郡において地域課題に対応した保健計画の策定とその実施を支援していますが、その際には地域のリソースを生かし有効に基礎的保健サービスを拡大できるようなグッドプラクティスの活用がたいへん効果的であると考えています。

そこでプロジェクトでは対象地域郡のキーパーソンとなる5名のカウンターパートを日本に招き、日本におけるUHC達成に寄与した保健課題への対策や経験(日本のグッドプラクティス)を共有し、ザンビアでの次期保健計画に生かせるよう約2週間の研修を企画しました。

研修では、東京、大阪、岡山を訪問し、様々なレベル・角度から日本の保健行政制度に関する知見を広めてもらいました。
東京では、国立国際医療研究センター病院を訪問し、日本の保健システムや救急システムの概要、同センターの国際医療協力局が実施してきた各国における医療協力の経験について、大阪では、大阪市西成区の保健施策を視察、尼崎市では中学生から高齢者までカバーする生活習慣病(非感染症疾患)について学びました。そして、岡山では、県庁と高梁市(注)で保健行政の役割や保健師を中心としたコミュニティボランティアの活動、また地方における救急システムについて学びました。

最終日には研修生たちによって研修で培った知識・経験が発表されました。そして各郡における次期保健計画案として、生活習慣病や母子保健に関するコミュニティでのヘルスプロモーションの促進、母子搬送システムの強化、DOTSを中心とした結核対策強化、行政とコミュニティをつなぐ役割を担う保健師の強化などが活動候補として挙げられました。
プロジェクトではカウンターパートの帰国後も引き続き各対象郡での次期保健計画の策定を支援していますが、チョマ郡・チョングエ郡ではコミュニティヘルスワーカーと協力した生活習慣病に関するヘルスプロモーションの活性化、カロモ郡では生活習慣病スクリーニングの強化が次期保健計画の優先活動として選ばれ、日本での研修の知見が具体的に生かされ始めています。

研修生を受け入れていただいた各自治体・医療機関の皆様大変ありがとうございました。

(注)高梁市は「平成30年7月豪雨」により、大雨、土砂崩れ、家屋の浸水被害等、未曽有の被害を受けました。
研修生、プロジェクト関係者一同、1日でも早い高梁市の復興、高梁市民の生活基盤の復旧をお祈り申し上げます。

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高梁市長表敬訪問の様子

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高梁市消防署での救急車乗車体験の様子

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高梁中央病院での病院案内の様子