【秋田県】ハーモニーフェスタ2019「世界のYouから学ぶ、秋田の未来。」に参加しました

2019年6月25日

2019年6月15日(土)、秋田市でハーモニーフェスタ2019「世界のYouから学ぶ、秋田の未来。~だれもが主体的に生活できる地域社会をめざして~」が開催されました。
ハーモニーフェスタは、男女共同参画や人権について広く県民の方に知っていただくことを目的として、毎年、秋田県・秋田県人権啓発活動ネットワーク協議会が開催しています。

JICAブースの様子

JICA東北はブース出展とパネルトークに参加。ブースでは、開発途上国で女性の社会参加を阻む早期結婚、家事などの無償労働による時間的束縛、教育の機会が男性に比べて受けられないことなどについてまとめたパネルを展示しました。
これらの問題は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標10「人や国の不平等をなくそう」に該当します。
目標5にある「ジェンダー」とは、男性・女性であることに基づき定められた社会的属性や機会、女性と男性、女児と男児の間における関係性、さらに女性間、男性間における相互関係を意味します。(関連リンク参照)

秋田に住んでみて  

【画像】午後からは「ジェンダー平等から考える秋田の未来。」と題したパネルトークを行いました。
パネリストはフィリピン出身で秋田県在住歴17年のチャリーナさん、ロシア出身のヴィクトルさん、デンマーク出身で留学生のアスビョーンさんとJICA秋田デスク野口の4人です。
それぞれが、秋田に住んでみて驚いたことや秋田の良さを語り、男女共同参画の視点を踏まえて“もっと住みやすくなるためのヒント”について考えました。

パネリストからは、(フィリピンに比べて)日本では女性が「かわいい」振る舞いや言動を期待され、女性が前に出ることは好意的に見られないように感じる、それが政治家や管理職など社会的リーダーに女性が少ない理由ではないかという声や、ロシアやデンマークと比べて日本では男性優位の伝統的価値観が残っているように思う、女性がお茶等を出すのを目にする機会が多く驚いた、といった声があり、会場の方々は熱心に耳を傾けていました。また、住んでみて感じる秋田の良さとして「とにかく人がすばらしい」「外国人に優しい、寛容」「笑顔が多い」などがあげられました。

日本の、世界の「ジェンダー・ギャップ」

皆さんは「ジェンダー・ギャップ指数」を知っていますか。これは経済・教育・保健・政治の4分野14項目のデータを元にして、各国の男女の格差を分析した指数です(関連URL参照)。
国の発展レベルではなく純粋に男女の差だけを評価しており、2018年の報告では149ヵ国がランク付けされています。
このうち日本は110位で、G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の中で最も低くなっています。これは、収入面での男女格差、管理職ポジションに就いている男女の人数差、また、国会議員に占める女性の割合、女性閣僚の比率の低さなどが影響しています。
一方、アフリカ諸国からはルワンダが6位、ナミビアが10位と上位に入っています。

今回のハーモニーフェスタは、日本と世界の「ジェンダー平等」や「だれもが主体的に生活できる地域社会」について考える機会となりました。
外国人も日本人も、女性も男性も障害者も高齢者も子どもも住みやすい社会とはどのような社会でしょう。そして、そのような社会を実現するためには何が必要なのでしょう。
これからも考え続け、自分にできるアクションを行っていきたい、開発途上国から学ぶ視点も持ち続けたいという思いを新たにしました。

(JICA秋田デスク 野口)