【福島県】待機中の青年海外協力隊員2名と福島デスクが、青年海外協力隊体験談をお話しました

2021年4月6日

2021年3月27日、会津若松市の会津稽古堂で「青年海外協力隊に聞いてみよう」と題して、青年海外協力隊の体験談をお話しました。講師は、前田 尋貴さん(2019年度3次隊・ルワンダ派遣)、荒川芳恵さん(2019年度2次隊・モンゴル派遣)、福島デスク(ボリビア派遣)がつとめました。

JICA海外協力隊の「派遣前訓練」って、どんなことをするの?

講師の前田さん

青年海外協力隊は、派遣前に、派遣先の国の言語習得や国際協力、安全・健康管理について学ぶ「派遣前訓練」を受けます。前田さんからはこの「派遣前訓練」の様子をお話いただきました。「訓練」と聞くと缶詰め状態で一日中の座学を想像すると思いますが、隊員同士が自身の持つ知見や得意なことを共有し学び合う「自主講座」や、訓練所の外に出て地域の方と協働する「野外活動」など、海外での活動に向けて意欲を高める機会が多くあったことをお話くださいました。また、語学の授業は、料理やゲームなどを通して学ぶような工夫もされていたそうです。
 前田さんはアフリカのルワンダへ派遣予定。コーヒー農園の支援を行う予定です。現在、同分野で活動していた隊員経験者や、地元のコーヒー業者さんから学ぶなど、来る派遣の日に向け、入念に準備をしています。

ドイツ人との交流をきっかけに、モンゴルで活動! 

講師の荒川さん

荒川さんは、青年海外協力隊を目指したきっかけを話してくれました。大学1年生の時、日独交流事業に携わったことが海外との最初の接点でした。その経験から「青少年への様々な体験を後押しし、視野を広げられるような活動がしたい」と、協力隊を目指すようになり、合格しました。
派遣先のモンゴルでも、新型コロナウィルス感染拡大の影響により活動が制限され、苦労されました。しかし、その状況下でも現地で「折り紙」「日本食」「ラジオ体操」などの日本文化紹介の動画を作成しFacebookで配信するなど、自分にできることは何か考え、活動を実施したそうです。
「再派遣されれば、日本語教室でモンゴル人の先生と一緒に日本語を教えたい、家庭での問題を抱えた方々への支援をしたい」と考えており、現在は、会津若松市国際交流協会の国際理解や日本語教育などの講座をサポートしています。このように「今自分にできること」に取り組んでいる、と熱い思いを語っていただきました。

JICA海外協力隊として経験したこと 学んだこと 感じたこと

福島デスク笹尾

最後にJICA福島デスクから、青年海外協力隊経験で学んだこと、感じたこと、それが現在どう活かされているのか等をお話ししました。
その中の一つが、「人と比べる必要ない」です。
福島デスクが活動していた当時、ボリビアでは約50人の協力隊員がいました。活動がスムーズに進められている隊員もいれば、悩んでいる隊員もいました。しかし、一人ひとり活動先、要請内容、同僚や対象者、語学力などすべて異なるため、単純に比較をすることにはあまり意味がないと気付きました。日本人は他人と比較する傾向にあると感じます。しかし、人はそれぞれ異なる背景を持っており、目に見えることだけで判断して他人と比較し、優劣を感じる必要はない。それよりも今自分は何ができるのか、自分のなりたい姿になるには何が足りないのかを、「他人」との比較ではなく「自分」を中心に考えてみては、と投げかけました。

参加した皆さんは、三者三様の体験談に、たくさんの質問や感想を寄せてくださり、青年海外協力隊や国際協力、国際交流への理解が深まる機会となったようでした。

(報告:JICA福島デスク 笹尾)