草の根技術協力事業で音楽リハビリを活用した介護予防モデル構築に取り組む株式会社ゆらリズムを訪問しました

2021年11月30日

2021年11月29日、ブラジルで草の根技術協力事業「サンパウロ市における音楽リハビリを活用した介護予防モデル構築(提案自治体:宮城県、実施団体:(株)ゆらリズム)」を実施中のゆらリズムを訪問しました。

ゆらリズムは、宮城県仙台市で介護予防デイサービスと小学生から高校生までの子どもを対象とした特別支援のデイサービスを行っています。2021年3月26日の草の根技術協力事業開始後、初めて訪問し、介護予防デイサービスの様子を見学しました。

一人ひとりの「できた!」を大切にする

楽器演奏の様子。一人ひとりに合った大正琴、キーボード、ハーモニカなど、様々な楽器を演奏しています。

ゆらリズムでは、脳の活性化の手段の一つとして、コーラスや楽器の演奏、癒しの音楽に合わせ全身をほぐすリラクゼーションヨガ等、音楽を通じた介護予防に取り組まれています。
音楽リハビリ指導員と共に行う利用者全員でのコーラスや楽器演奏を見学しました。演奏に用いる楽器は、参加者の得意・不得意に合わせ選ばれます。施設に通う中で楽器演奏が上達すると、より高度な楽器に挑戦していくといった、一人ひとりの「できた!」という実感を大切にされていることをお伺いしました。

ゆらリズム野崎健介代表取締役(写真右から4人目)、菊地義仁プロジェクトマネージャー(写真右から2人目)とJICA東北センター職員

草の根技術協力事業では、コロナの影響でブラジル渡航が難しく、現地と円滑なコミュニケーションを図ることが難しい状況が続いていますが、現地実施機関であるサンパウロ大学老年学部とオンライン会議等を通じ、介護予防指導者のトレーナーを対象とした音楽リハビリの指導マニュアルの作成を進めています。
また今後は、指導マニュアルを用いて介護予防指導者を育成し、現地集会所やコミュニティでの介護予防教室の開催等を予定しています。
今回の訪問によって今後の活動内容をより深くイメージすることができ、また音楽リハビリを始めようと思われた経緯や、SDGsの観点で今後の事業展開を計画されているお話等もお伺いすることができました。