コンゴ民主共和国赤道州でのエボラウイルス調査のための検体採取

2022年8月23日

コンゴ民主共和国(以下、「コンゴ民」)保健省は、赤道州ムバンダカでのエボラウイルス病患者の確定により、2022年4月23日にエボラウイルス病の発生を宣言しました。コンゴ民での宣言は、ウイルスが最初に見つかった1976年から14回目、赤道州での発生は2018年以降3回目になります。

プロジェクトでは、ウイルスの自然宿主やヒトへの伝播経路解明のために、感染症の発生地域での家畜・家禽や野生動物、節足動物等の検体を採取し、ウイルスを検出する活動を行っており、エボラウイルスのヒトへの侵入経路の解明も、活動に含まれています。そのため、今回の赤道州ムバンダカでの宣言を受け、5月に現地で検体採取をすることを計画しましたが、原油価格高騰等の影響で直前に現地行のフライトがキャンセルとなり、再度調整の後、7月13日~23日の日程で実施することになりました。

検体採取は、北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の支援のもと、国立生物医学研究所(INRB)と中央獣医学研究所(LABOVET)が、現地の環境・持続可能開発省、住民、動物ハンター等の協力を得ながら行われました。集められたヒトおよび動物検体は、キンシャサのINRBとLABOVETに運ばれ、これから分析を開始します。

なお、赤道州のエボラウイルス病は2022年7月4日に終息が宣言されていますが、今回の発生では赤道州内3つの保健地域から5人の死者が出ており、またこの4年で3回も発生していることから、今後の同地域での再流行が懸念されます。プロジェクトで実施する現地検体採取は、エボラウイルス病のヒトへの感染リスク軽減のための住民に対する啓発や、保健省をはじめとする関係機関職員等の能力強化も同時に行われ、ウイルス研究に留まらない幅広い活動となっています。

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