【パプアニューギニア】初のMDA適正完了の承認(ニューアイルランド州)

2021年10月18日

プロジェクト対象州のひとつであるニューアイルランド州(NIP)では、2014年よりフィラリア伝播抑制を目的として、合計4回の集団投薬(MDA:Mass Drug Administration)を実施しました。

MDAの完了後、2020年12月からフィラリア伝播抑制の把握を目的とした調査(TAS:Transmission Assessment Survey(注))を実施し、2021年8月に終了しました。フィラリア伝播抑制の基準値(有病率)は1.0%未満のところ、今回の第1回TAS(TAS1)の結果では、NIPにおける有病率は0.17%であることが判明しました。これは、今回のTAS1における評価において、同州におけるMDAが適正に実施され、フィラリアの伝播が抑制されていることを意味します。

この結果をもって、WHOフィラリア専門家チームより、NIPにおけるTAS1通過の承認を得ました。今後は2年ごとにTAS2、TAS3を実施し、フィラリア伝播抑制の基準を満たすことが必要となります。

今回のTAS1通過の承認により、NIPはパプアニューギニアではじめてMDAの適正完了が認められた州となりました。

本プロジェクトでは、対象となる3州においてフィラリア対策の実施支援を行っています。今回のNIPでの経験を共有しながら、引き続き保健省や州保健局、WHO、民間企業など関係機関と連携し、フィラリア制圧に向けた活動に尽力します。

【画像】MDA/TAS実施対象地域の子どもたち(NIP)

(注)MDAの適正完了後、フィラリア伝播抑制の把握を目的とし、2年ごとに計3回実施します。TASの結果、有病率がWHOによって推奨された基準を満たしていない場合、再度MDAの実施が必要となります。連続した全3回のTASにおいて基準を満たすことが、フィラリア制圧の必要条件です。