【パプアニューギニア】集団投薬に向けた重要な業務(資材分配)

2022年3月30日

パプアニューギニアの東ニューブリテン州(ENBP)にて、フィラリアの伝播抑制を目的とした集団投薬(MDA:Mass Drug Administration)(注)が同州全住民(38万人)を対象に実施されます。投薬スタッフ1,200人に対するトレーニングを終え、現在は医療従事者、住民ボランティア、その他多くの協力者を巻き込んで、広報活動が州全土で行われています。

これらトレーニング、広報活動、集団投薬を適切に完了する上で、重要な裏方業務を担ってくれているスタッフ(主にボランティア)がいます。スタッフの業務は、主に必要資材の梱包と運搬になります。集団投薬で必要となる資材は、印刷物、広報資材、キャンペーングッズ、文房具、車輛、ボート用燃料、身長測定ツール、薬剤など多岐に渡ります。また、投薬対象数は38万人のため、必要資材はたいへんな量になります。供給する先(32保健医療施設)の混乱と資材の紛失を防ぐため、事前にそれぞれの活動に必要となる資材を分類した上で、それぞれの施設へ運搬します。また、各医療施設の地理的状況を考慮した運搬方法(車輛、ボート、飛行機、フェリー、人力)のアレンジも重要になります。道路もなく、ボートでのアクセスも困難な内陸地域の施設には、ボランティアが荷物を担いで運んでいます。
このように、トレーニング、広報活動、集団投薬実施そのものだけでなく、資材調達や運搬などに関わる多くの関係者の尽力の下、フィラリア制圧に向けて集団投薬が進められています。

【画像】発送待ちの梱包バッグの様子

【画像】車輛での運搬の様子

【画像】ボートでの運搬の様子

【画像】フェリーでの遠方地域への運搬の様子

【画像】車輛での燃料ドラムの運搬の様子

【画像】梱包バッグ数の確認を行う關原専門家の様子

【画像】内陸の医療施設に徒歩で資材を運ぶ様子

(注)MDAは原則、1年ごとに合計2回実施します。ENBPでは2019年に第1回MDAを実施し、第2回MDAは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により実施が延期されていましたが、今回第2回MDAが実施されることになりました。