【パプアニューギニア】東ニューブリテン州での集団投薬の完了

2022年7月30日

東ニューブリテン州で2022年4月に実施された集団投薬(MDA:Mass Drug Administration)キャンペーンにおいて、服薬率が低かった地域を対象として追加投薬が実施されました。投薬チームが学校、村、教会、市場を巡回し、未服薬者に対し投薬(5月9日~20日)を行いました。

【画像】メガホンで住民にMDAへの参加を呼び掛ける保健局スタッフ

【画像】MDA参加者が薬剤を服用する様子

この追加投薬の後、MDAに関する全業務が完了し、最終的な服薬率は68.0%となりました。WHOが推奨する服薬率(65.0%)を超えたことを確認できたことから、6ヵ月経過以降にフィラリア感染抑制の評価を目的とする調査(Transmission Assessment Survey)に進む予定です。

MDAキャンペーンの締めくくりとして、関係機関(32医療施設、州保健局、タスクフォース委員会、保健省、WHO、JICA)の担当者が集まり、MDAの完了報告会(7月25~26日)を開催しました。同報告会では、MDAの調査結果と共に各関係者の経験と知見の共有を行いました。

また、MDAキャンペーン実施時に、リンパ系フィラリア症(LF:Lymphatic Filariasis)患者の情報収集を並行して行い、患者リストを作成しました。リンパ浮腫などの症状を持つ場合は、リンパの流れを促進するためのマッサージや運動、また細菌感染を防ぐために患部を清潔に保つことが必要になります。同報告会では、医療施設の責任者に対し、患者リストの共有と患部ケアの指導を目的としたトレーニングを併せて実施しました。ここで得た情報をもとに、各医療施設が中心となり、LF患者と患者家族への啓発指導を行います。

【画像】MDA完了報告会の様子

【画像】患部ケアのトレーニング参加者