【パプアニューギニア】合同調整委員会の実施

2023年1月27日

2022年12月5日、パプアニューギニア(PNG)の首都ポートモレスビーで、大洋州広域フィラリア対策プロジェクト(2018年10月~2023年2月)完了に伴う最終の合同調整委員会(JCC:Joint Coordinating Committee)が開催されました。本JCCには、PNG保健省(NDoH)の他、活動対象州の東ニューブリテン州(ENBP)保健局、西ニューブリテン州(WNBP)保健局、ニューアイルランド州(NIP)保健局の3州、またWHO PNG事務所、在PNG日本大使館、JICA PNG事務所、プロジェクト専門家が出席しました。JCCでは、プロジェクトの成果内容、2030年に向けた達成目標と改善点に関して情報共有と合意形成がされました。

【画像】ENBPにおける成果報告を行うENBP保健局の感染症対策担当官Mr. Joachim Kais

【画像】州保健局の成果報告に対しコメントを行う關原専門家

【画像】スピーチを行う鯉沼JICA PNG事務所長

プロジェクト期間中は、COVID-19 の流行により活動進捗に多くの困難がありましたが、NDoH、州保健局、WHO、JICAの協力体制の下、粘り強くフィラリア制圧のための活動に尽力しました。その結果、NIPではフィラリアの感染抑制を目的とした集団投薬(MDA:Mass Drug Administration)(注1)を適正に完了し、フィラリア感染抑制の評価を目的とする調査(TAS:Transmission Assessment Survey)(注2)の結果では、暫定的にフィラリア感染は抑えられていることが確認されました。また、ENBPでは2度のMDAを適正に完了し、WNBPでは2023年上旬のMDA実施に向けて着実に準備が進むなど、PNGのフィラリア対策が大きく前進しました。

本プロジェクト終了後は2023年4月よりPNGにおいてフィラリア対策プロジェクトフェーズ2の実施が決まっており、対象州を拡大して引き続きPNGにおけるリンパ系フィラリア症の制圧を支援します。

(注1)MDAは、原則、1年ごとに合計2回実施します。
(注2)TASは、MDA完了後6カ月後以降に実施されます。

【画像】JCC参加者