保健施設の訪問指導(ベンゲラ州)

2019年4月3日

母子健康手帳が保健施設に定着し、使用者のもとに適切に届いて使用されるために、プロジェクトでは、M&S(モニタリング&スーパービジョン)体制構築の一環として、保健施設を訪問しての直接的な指導を集中的に実施しています。

2018年10~11月の間、ベンゲラ州5市の保健スタッフに対して、母子健康手帳の使用に関する研修を実施しました。その後のフォローアップとして、2019年1~4月にM&Sを実施し、手帳を導入した全ての保健施設を訪問しました。国土の広いアンゴラでは、市の中心部から離れた場所にも保健施設が点在しています。時には舗装されていない道を車で数時間かけて訪ね、悪路で車が入れない時には歩いて保健施設に向かうこともあります。アンゴラ人スタッフから「保健センターは、もう目と鼻の先だ」と聞いて歩いたら、30分以上炎天下を歩いてようやく保健センターに到着したこともありました。そのような僻地にある保健施設でも、母子健康手帳の導入が始まり、妊婦さんやその家族の手に母子健康手帳は渡っています。

訪問した多くの保健施設で、保健スタッフやお母さんから手帳に対する嬉しい感想をいただいています。例えば、妊婦さんからは「手帳をもらえると聞いて、産前健診にやってきた」、「夫と一緒に家で母子健康手帳を読んだ」「妊娠中に注意するべきことがわかった」、保健スタッフからは、「産前健診手帳(旧ツール)の時は、保健施設に手帳を持ってくるのを忘れる母親が多かったけど、母子健康手帳になってからは忘れてくる人を見たことがない」と、両者が母子健康手帳配布後の良い変化を実感されているようです。

ある市の保健局長は、「母子健康手帳は母親に対する保健施設への招待状」と言っていました。母子健康手帳を導入してから、産前健診の受診者数は昨年と比較して大きく延びているとのことでした。母子健康手帳の導入を通して、母子保健サービスに対する満足度も上昇しているそうです。

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保健施設への道中

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保健施設での指導