母子健康手帳委員会会合-テクニカルマニュアルの改訂案について検討-

2020年2月7日

アンゴラでは母子健康手帳の使用のためのマニュアルとして「テクニカルマニュアル」を作成しています。母子健康手帳を導入している地域の全ての保健スタッフに配布しています。母子健康手帳の記入方法だけでなく、母子保健の基礎知識や疾患に関する知識も含まれていて、保健スタッフにとっては「教科書」としての役割になっています。アンゴラには保健スタッフに向けた教科書が少ないため、保健施設を回っていると保健スタッフが「これは私のバイブルだ」と言って、読み込んで少しくたびれたテクニカルマニュアルを見せてくれることがあります。また保健スタッフが大切だと思ったテクニカルマニュアルのページをコピーして、保健施設の壁に貼ってあることもあります。テクニカルマニュアルを大切に使い込んでいる姿を見るととても嬉しく思います。

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コピーされたテクニカルマニュアルが保健施設の壁に貼ってある

現在使用しているテクニカルマニュアルは、2017年11月に改訂されたバージョンです。プロジェクトでこれまで実施した研修やM&S(モニタリング&スーパービジョン)を通して、改訂や追加が必要な箇所が判明してきました。そのため、母子健康手帳委員会から改訂案をメールで募り、2020年2月7日に委員会会合を開催し、内容を検討しました。母子健康手帳委員会は、アンゴラで母子健康手帳を導入することが決まった時に設立された委員会です。保健省の母子保健専門家、栄養の専門家、HIV/エイズ専門家、小児科医や開発パートナーで構成されています。手帳の改訂についてやその他マテリアルの導入・改訂等について意見を出し合い、検討します。今回の委員会会合もそれぞれの分野の専門家が集まり、テクニカルマニュアルの内容について検討し、とても活発に意見交換がされました。アンゴラでは保健スタッフの教育レベルの差が大きいため、全ての保健スタッフにわかりやすいマニュアルとなるよう基礎的な解剖や疾患の内容に触れたり、記載方法等が簡潔になるような工夫を行いました。また苦手としている保健スタッフが多い「成長曲線の記入方法」についても、詳しい説明を新たに追加することとなりました。今後更に追加の資料や改訂が必要な箇所については、委員会メンバー内で専門分野に沿って改訂作業が割り振られました。

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母子健康手帳委員会-テクニカルマニュアルの改訂案について検討-

今回の委員会会合で出た意見を集約し、今後も改訂作業を継続します。そして、改訂案を保健省に提出し、承認を得る予定です。その後、2020年5月に再度委員会会合を開催し、改訂版をお披露目します。改訂したテクニカルマニュアルは、2020年6月から活動を予定しているベンゲラ州の5市の研修で使用予定です。

2020年後半には母子健康手帳の改訂も予定しています。2020年の母子健康手帳委員会の活動は益々活発になっていきます。