第二回 大学・病院合同ワーキング・グループ会合-臨地実習の充実に向け、大学講師と病棟看護師に必要な研修とは

2023年2月16日

2022年11月8日の第一回(注)に続き、2023年2月16日に第二回大学・病院合同ワーキング・グループ会合を実施しました。今回は病棟での看護学生の実習受け入れにあたり大学講師と臨床看護師に足りない知識や技能について協議し、具体的な研修項目を導き出すためのワークショップを行いました。

ワークショップでは大学・病院からのフォーカルパーソンの合同グループ(G1)、大学からのフォーカルパーソンのグループ(G2)、そして病院からのフォーカルパーソンのグループ(G3)の計3グループで作業を実施しました。G1は、看護学生の臨地実習の改善に必要な大学講師と臨床看護師の知識や技能、G2は、大学講師の継続的な専門能力開発(CPD)、そしてG3は、臨床看護師のCPDを議論してパワーポイントを作成し、ワークショップ後にグループ発表を行いました。

G1からは看護学生を送り出す大学側の準備事項(学生のローテーションプランや、講師による評価含むモニタリングシステムなど)、受け入れる病院側の準備事項(学生の病棟オリエンテーションや各学年の履修実習項目など)が上がり、共通項目としてメンターシップ研修や学生のメンタルケアの必要性も指摘されました。G2では教員養成(Faculty Development)の一環としての教授法や学生指導法、実習の指導方法などへの関心が高い様子が見られました。G3からは、病棟管理や看護計画・看護技術、研究活動や専門看護領域など、幅広い項目についてニーズが高いことが分かりました。

どのグループでも時間内に議論をまとめきれないほど多くの意見が挙がりました。発表では研修方法や必要な資料や資機材について触れられ、今後、研修内容を検討するための良いウォーミングアップになりました。

ワークショップ準備の中で、バングラデシュの大学のシラバスでは看護学生の実習項目は担当教員の判断で決められており、項目別の具体的な時間数が示されていないことがわかりました。大学の授業では、学生は教科書を使わず、講師の説明をノートに書きこむのみで、臨地実習でも学生は具体的に何を学びに行っているのかがわからず、受け入れ側の病棟看護師も指導すべき項目がわかっていないのが現状です。

ワーキング・グループ会合の結果をもとに、バングラデシュの看護現場で必要な知識と技術を補える研修を検討していきます。

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ワークショップ中は皆さん活発な意見交換をされていました。会場であるシェレバングラナガル看護大学の学生さん(緑のユニフォーム)が、お手伝いをしてくれました。

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最後は各グループメンバーが本日の成果を発表しました。これらの内容を今後の研修に取り入れていく予定です。