マイメイシン看護大学訪問

2023年3月23日

2023年3月23日、成果1「看護行政のキャパシティ強化」の一環として、プロジェクト対象校の1つであるマイメイシン看護大学を訪問しました。訪問の目的は、1)ベースライン調査の結果(特に、アクレディテーション(注)に関する評価5項目の結果)を大学関係者に共有し、大学の強みや弱みを分析すること、2)分析結果をもとに、アクレディテーション取得のために今後必要なアクションを洗い出し、大まかな活動計画を作ることです。学長を含め教員19人が積極的に議論に参加しました。

ベースライン調査のうち、アクレディテーションに関する評価5項目の結果(1)アドミニストレーションとリーダーシップ、2)教員とラーニングの項目がそれぞれ50%、45%の低い達成率でした)については、学長をはじめ、教員のほとんどが納得しその結果を受け入れました。続いて、評価結果に基づいた強みや弱みの分析を行いました。弱みとしては、教員や職員の絶対的な不足、専門的な人材の不足、兼務業務増大による教員の授業準備時間の不足のほか、教育環境の様々な課題(例えば、学生数に対する適切なスペースのある教室の不足、実習機材不足、最新の本や学術誌、コンピューターの不足、病院での臨地実習が適切に行われていないなど)など、教員達が日々直面している教育の質に関する課題が数多く挙げられました。一方で、教員は強いコミットメントと高いモチベーションを持っていること、教員間のコミュニケーションはよく取れており、シニアの教員が若手教員にノウハウを伝授する関係があるなどの強みもわかりました。

上記の分析結果を踏まえ、アクレディテーション取得に向けて今後取るべきアクションについて協議しました。強みである大学教員同士の良好な関係を活かしながら、看護教育の質を向上していけるよう、学内にモニタリングとスーパービジョンの仕組みを構築することや臨床系教員に研修を実施することなどが挙げられました。看護大学だけでは解決できない教員増員や臨地実習の課題などについては、保健家族福祉省の関係部局や連携病院であるマイメイシン医科大学病院関係者などとの関係を強化しつつ、課題解決に努めていくことで合意しました。また、バングラデシュの看護大学で唯一アクレディテーションを取得したダッカ看護大学による経験共有の機会を今後、設けることも提案されました。

今回、マイメイシン看護大学は看護師養成機関としての評価結果を知ることで、大学の現状や課題を具体的に理解し、今後に向けた議論を開始することができました。アクレディテーション取得には継続的、かつ長期的な取り組みが必要です。プロジェクトでは、引き続き、アクレディテーションに関連する活動を行っていきます。

(注)アクレディテーションとは、教育機関が外部の認証機関によって設けられた一定の基準に沿って、内部また外部審査者によって客観的かつ体系的に審査されることで、教育の質を保証し、質の改善に役立てるための制度です。看護大学に導入することで専門職の質の保証に繋がるため、バングラデシュでもバングラデシュ看護助産審議会(Bangladesh Nursing and Midwifery Council:BNMC)を中心にアクレディテーションプログラムの導入が進められてきました。

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大学の強み、弱みについて協議している様子

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マイメイシン看護大学にて