第4期果樹普及農家育成プログラムの第2回研修

2020年2月18日

1月28日~30日の3日間、第4期果樹普及農家育成プログラムの第2回研修が実施され、プロジェクト対象県5県から43名の農家が参加しました。昨年10月に行われた第1回研修では、東部の園芸農業先進地域であるウェンカルを訪問し、農業試験場の栽培技術を学び、地域農家の生産活動を視察しました。これに引き続いて行われたのがバジョ・センターでの技術指導です。

研修は3日間のカリキュラムで、実施されました。1日目の午前中は講義、残りはフィールドでの実技実習で構成されており、整枝と剪定(アボカド、柑橘類、カキ、プラム)、苗木の移植、接木の技術や苗木の管理を実地で学びました。これまではいわゆる自然農法のようなあまり手をかけない農業を行ってきた農家たちですので、この研修で学ぶことは何もかもが新しい経験でした。研修の最後は農家待望の苗木の配布が行われ、今後はいよいよ学んだことを自分たちのフィールドで実践していくことになります。また、第4期果樹普及農家育成プログラムでは、この後6月に第3回研修である摘果研修を実施し,第4期の研修を終える予定です。

本プロジェクトの日本人専門家は、過去の研修のモニタリング結果において農家たちから研修後のフォローアップの要望が上がっていたこともあり、今回の研修では過去の研修に参加した果樹苗育成農家にも同研修への参加を呼びかけました。実際に一度学び、自分の圃場で実践をした彼らからは積極的に質問が出されました。このことから、初めて学ぶよりも、経験を経てもう一度学ぶ機会を得ることで、知識と技術のさらなる定着が期待できることがわかりました。

研修が終わった翌日から休む間もなく約3週間かけて、バジョ・センターのスタッフと日本人専門家は5県の農家を巡回し、各農家の苗木植え付けの指導を行いました。またあわせて過去に研修に参加した果樹農家へも訪問し、剪定や誘引のフォローアップを行いました。研修で習ってはいるものの、農家にとって初めての接木、剪定・整枝を実際に自分だけで行うのはなかなか難しく、特に剪定に関しては実際にどの枝を切っていいものか農家たちは自信がないようです。日本人専門家とバジョセンターのスタッフが農家の疑問に答え、彼らの不安を解消できるため、こうして実際に農家を訪問して行う指導は大変重要な意味を持ちます。

農家研修も今回で第4期となり、カウンターパートであるバジョ・センターのスタッフはますます経験を重ね、プロジェクト終了後もこの農家研修を継続していくことにやる気を見せています。果樹は植え付けから3年から5年たってようやく本格的な実りがはじまることから、今後の息の長い活動にむけ、技術普及の定着を図っていくことをプロジェクト終了前の課題として取り組んでいます。

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プロジェクトスタッフと第4期果樹普及農家 育成プログラム参加農家

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農家に指導を行うバジョ・センターのスタッフ(中央)

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苗木の観察と剪定の勘所を学ぶ

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成木になるにつれ、剪定そのものも異なってくることを学ぶ

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乾季の苗の移植には水をどう与えるかが重要である

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苗木用ベッドの作りかた、管理を学ぶ

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苗木を受け取った果樹農家

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研修の終わりに日本人専門家とあいさつをする参加者

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果樹農家の圃場にて剪定の指導をする日本人専門家

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果樹農家の圃場でキウィのつるの管理を指導する日本人専門家