2019年9月の活動ダイジェスト

2019年9月30日

活断層調査

2019年9月20日から経済省地質鉱山局(Department of Geology and Mines:DGM)、日本側の防災科学技術研究所(NIED)と広島大学の専門家チームが、ブータン南西部の活断層(過去の地震によってズレた地層の痕跡)を調査しました。同チームは、予め国家国土委員会(National Land Commission:NLC)から入手した航空写真を判読して、活断層の分布図を作成し、その位置を詳細に検討しました。現地では、ブータン南西部のヒマラヤ山麓のサムツェ周辺で活断層を横切るトレンチ(調査溝)を掘って断層を観察する調査や、活断層の露頭の調査を行い、活断層のずれの様子を確認しました。活断層があるということは過去にこの地域で大地震があった証拠で、今後も地震発生の可能性があると言えます。プロジェクトはブータン全域の活断層マップ作りを続け、観測した地震活動マップ、地面の揺れやすさを示す地震増幅度マップなどを統合したブータン地震ハザードマップの開発をしています。

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断層のトレンチ調査(写真提供:広島大学 熊原康博・准教授)

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断層を指さす調査チーム(写真提供:広島大学 熊原康博・准教授)

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GPS測量点の設置(写真提供:広島大学 熊原康博・准教授)

日本建築学会で口頭発表

2019年9月3日、プロジェクトメンバーが2019年度日本建築学会大会で口頭発表しました。発表テーマは『ブータンにおける組積造建築の耐震化技術に関する研究』についてで、これまでの実験結果など9報が学会で報告されました。その内1報は、名古屋市立大学大学院の博士課程に留学している内務文化省文化局(DOC)のエンジニアが、実物大の伝統建築物について行った実験『Full scale tests on composite masonry buildings:Unreinforced and mesh-wrapped rammed earth construction』を発表しました。

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口頭発表するDOCのプンツォ氏(写真提供:青木秀敬(名古屋市立大学大学院))