2019年11月の活動ダイジェスト

2019年11月30日

減災教育バーチャルリアリティ教材を国際会議で発表

2019年11月26日から28日、名古屋市立大学の大橋さゆり(博士前期2年)さんが『ブータンにおける減災教育バーチャルリアリティ(VR)』教材を、マレーシアで開催された国際会議でデモンストレーションしました。

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マレーシアでVR教材を紹介する大橋さゆりさん(写真提供:名古屋市立大 中川隆 准教授)

・発表内容:SVR-1(Beta Version):An Educational VR Experience for Earthquake Disaster Mitigation in Bhutan
・著者:Sayuri Ohashi, Akari Kamiya, Soji Mochizuki, Ken Sonobe, Ryu Nakagawa, Takayoshi Aoki
・国際会議名:International Conference of Asia Digital Art and Design(ADADA2019), Kuala Lumpur, Malaysia, 26-28 Nov 2019

本VR教材はブータンの伝統建築家屋内で発生する地震を疑似体験し、家具転倒防止の対策などを学ぶことができます。同大学のアート&メディア・エクスペリエンス研究室(中川隆 准教授)が、ブータン人向け減災教育用に開発しています。2019年10月29日から11月1日、映像デザイン専門家の中川准教授がブータン人にVR教材を試用してもらい、意見を集めつつ使い勝手の改良をしました。

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ブータン人にVR教材を紹介する中川准教授

振動台実験

2019年10月29日、内務文化省文化局(Department of Culture:DOC)の実験施設にて、振動台装置を使いティンプー市で実際に発生した地震動を再現し、本物の1/6スケールの版築造試験体(補強有りと無しの2体)の補強効果、崩壊する傾向などを実験しました。本プロジェクトのチーフアドバイザである名古屋市立大学の青木孝義教授と、構造工学の専門家シュレスタ特任助教が、DOCエンジニアへ実験の準備手順、実施方法、データ解釈などを指導しました。

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振動台に乗せた補強なし(左)と補強あり(右)版築造試験体

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実験データについてDOCエンジニアへ解説する青木チーフアドバイザ(右)

地震リスク評価パイロットサイト合同調査

2019年10月23日から10月26日、石積造民家の地震リスクを評価する試験地域(パイロットサイト)を下見するため、公共事業省技術支援局(Department of Engineering Services:DES)、経済省地質鉱山局(Department of Geology and Mines:DGM)、DOC、名古屋市立大の合同調査チームがブータン中東部のブムタン県を訪れました。DESとDOCは石積造民家を一軒ずつ目視しナンバリングや類型化を行い、DGMは地形情報を集めました。下見の結果、同チームはブムタン県ウラ村を第二の地震リスク評価パイロットサイトにすることを決めました。

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ウラ村に集結した合同調査チーム

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石積造民家を調べるDOCエンジニア