2021年10月の活動ダイジェスト

2021年10月31日

Training of Trainersの開催

内務文化省文化局(DOC)で10月12日から14日の3日間にわたり、県の技術者を招いてTraining of Traninersが開催されました。研修の目的は、既存の建物の耐震診断方法/計算を学び、伝統的なブータン建物で行われている本案件の開発と研究成果を理解してもらうことです。また、参加者にはこの訓練を受けて、地方行政レベルでの将来の普及および人材育成のためのトレーナーになってもらうことも目的としています。ティンプー、ハー、プナカ、ワンデポドラン、パロの5つの県からそれぞれ2人のエンジニア(合計10人のエンジニア)が参加しました。日本の研究者は遠隔で参加し、初日はSATREPSプロジェクトの概要、目的、計画を説明し、2日目は耐震診断方法について講演しました。耐震診断計算では実習の時間が設けられておりカウンターパートが細かく指導を行い、受講者の理解を図りました。また今回学んだ耐震施工方法は11月に行われるHands on trainingで適用されます。トレーニングの様子は映像にも収められ、耐震診断用教材としても活用される予定です。コロナの影響で全県からの技術者を集めてトレーニングをするのはまだ難しい状況です。今回学んだ技術者が中心となって、映像教材を使いながら、他県の技術者をトレーニングできるようプロジェクトでは引き続きフォローアップを行っていきます。

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講義の様子(写真提供は文化局)

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計算実習の様子(写真提供は文化局)

地質鉱山局(DGM)で帰国報告会の開催

2021年10月29日に経済省地質鉱山局(DGM)でカウンターパートNityam Nepalさんの帰国報告会が開催されました。昨年10月からJICA長期研修「地震学コース」に参加し、防災行政修士号を政策研究大学院大学から授与され帰国しました。修士論文のタイトルは「「ブータンのティンプーにおける1次元の浅いせん断波速度プロファイルを推定するための微動測定を用いた地球物理学的探査」」でした。本邦研修の中で、Nityamさんは北ティンプーの25か所の1次元せん断波速度(Vs)プロファイルから地盤の卓越周波数を推定しました。地盤状態がわかっている日本の茨城県南部で同様の調査を行うことにより、ティンプーの微動データを適用する方法も検証しました。身に着けた研究と知識は、パイロットサイトでの微動観測にすぐに使用され、サイトの卓越した周期を推定するのに役立ちます。微動測定が進むにつれ、マイクロゾーニングはより実用的で洗練されたものになり、ハザードマップは将来さらに詳細化されることが期待されます。

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帰国報告会の様子(写真提供は地質鉱山局)

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帰国報告会の様子(写真提供は地質鉱山局)