2021年11月の活動ダイジェスト

2021年11月30日

Hands-on Trainingの開催

内務文化省文化局(DOC)は11月3日から4日の2日間にわたり、県の技術者および施工者(職長クラス)を招いてWandgue県のDangchu村でHands-on Trainingを実施しました。トレーニングの目的は、既存の建物(版築造)に耐震化施工を実際に行い、材料、施工方法、施工留意点を学んでもらうことです。今回はメッシュとモルタルによる耐震化施工です。現地で調達可能な低コストの材料を用いた施工方法です。既存土壁を強度の高い材料(金網モルタル層)で内外から挟み込むことで壁の剛性を高めることができます。県の技術者は先月行ったTraining of Trainers(TOT)にも参加した4名が出席しました。施工者は、現場で指揮を執っている熟練のCarpenter(大工)とmason(組積工)の16名で総勢20名が参加しました。参加者は耐震改修工事には馴染みが無く、DOCのカウンターパートが手順を踏んで教えてゆきます。メッシュの重ね方、重ね幅、外壁内壁のメッシュをつなぐアンカーボルトなど実際に体験しながら学びます。日本側研究者とはテレビ電話でつなぎ、現場の様子を伝え、アドバイスをもらいました。初日はもたつきもありましたが、2日目には熟練者の要領をつかんだ作業も見られ、伝えるべきことを学んでもらえたと思います。このトレーニングにはDOCの映像班も同行しており、施工状況と施工の要点が記録され、今後は教育資料として生かされる予定です。

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メッシュ貼りのの様子(写真提供は文化局)

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内外のアンカーをつなぐ様子(写真提供は文化局)

Bhutan Broadcasting ServiveでHands on trainingを紹介

内務文化省文化局が行ったHands on trainingの様子が国営放送ブータン放送公社Bhutan Broadcasting Service(BBS)で紹介されました。

ニュースの中ではメッシュモルタルによる耐震補強の効果が紹介されています。また、参加者した県の技術者と伝統建築物の熟練大工職人の声が紹介されています。

振動台地震動プログラムの講習会を開催

11月25日に内務文化省文化局で振動台に地震動を入力するためのプログラミング講習会が開催されました。マニュアルの機器配置(写真)と実機の機器配置が異なり、何度も試しながらバッテリーを取り付けることができました。振動台はプログラミングによって過去の地震を再現することができます。今回カウンターパートが学んだことで、スタンバイしている試験体4体の実験をすることができます。また、市民を対象とした地震を体験できる集まりも開催することができます。安全対策用に手すりや固定できる机も振動台用に作成しています。啓発活動と実験でこれから振動台をより多く活用していきます。

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振動台地震動プログラムを学ぶカウンターパート(写真提供は文化局)