竹内正人専門家(産科専門医)活動

2018年3月5日

1月22日~2月6日までの16日間、産科医の竹内正人専門家がオルロのプロジェクト対象地域において活動を行いました。出産時の緊急対応とハイリスク妊娠の評価・対処に関し、一次及び二次保健医療施設の専門医・一般医・看護師に対して理論的で実践的な知識と技術の向上を図ることが活動の目的でした。

初めの3日間で、3つの対象保健ネットワークに所在する遠隔地のヘルスポストから2次病院レベルまでの現状分析を目的とした現場視察を行いました。その際、2か所の訪問先で自然分娩と帝王切開に遭遇することができ、とても有益な分娩にかかる現状把握ができました。

現状把握後には、1月26日から2月2日までの6日間、3か所の保健ネットワーク(アサナケ、ミネラ、ノルテ)の各拠点にて研修会を開催。計200名の医療従事者が当地で出産時における一番の死亡原因である出血への緊急対応等について研修を受講しました。恋愛観など参加者の興味の引く話を引水に、巧みなファシリテーション能力、また参加型手法を用いながら、医師から准看護師までそれぞれのレベルに合わせた研修を実施し、参加者がより理解を深める機会となりました。受講後にアンケートに回答した157名は、「あなたの業務に役立つものでしたか」との問いに全員が「大変重要である」または「重要である」との回答をしており、また「説明振りについて」も同様に157名全員が「非常に良い」「良い」と回答しています(内7割以上が「非常に良い」)。この結果からも受講者のレベルに適し、ポイントが絞られた内容の研修であったことが確認されました。

現地での活動最終日となった2月3日は、オルロ県医師会館において、現在日本で注目されており、将来ボリビアでも出血による死亡が改善された後に課題になるであろうと想定される「羊水塞栓症」と言う症例についての公開講座を開催しました。予定の150名を大幅に上回る約210名が参集し、立ち見が多く出るほどの盛況となりました。

竹内専門家の深い専門性と多くの途上国での活動経験、そして卓越したコミュニケーション能力によって、短期間でありながら適切な現場のレベル把握が行われ、またそれを活用した効果的な研修の提供に繋がりました。早速、現地側からは、次回の再訪を強く望む熱いラブコールが届いています。

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竹内専門家が分娩に立会った赤ちゃんと両親

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ノルテ保健ネットワーク研修会

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医師会での公開講座

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現地紙での活動報道様子