新カリキュラム導入に向けて

2021年9月24日

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2019年10月以降、およそ1年10ヵ月間渡航ができませんでしたが、小川正子チーフアドバイザーは、この度ようやく再びボリビアの地を踏むことができました。久しぶりの再会となり、プロジェクト関係者は、変わらぬ笑顔で「Bienvenida(ようこそ/おかえり)」と温かく迎えてくれました。

今回の第一の来訪目的は、2021年7月に国家承認された新カリキュラムを円滑に現場に浸透させることでした。カウンターパートの多くが、第一線で新型コロナウイルス感染症との闘いに日々粉骨砕身している中にありながらも、医療従事者としての責務を全うしつつ、プロジェクト活動に熱心に取り組んでいます。そのような状況の中で国家承認に至った新カリキュラムが、全国の医療従事者養成校へ導入されることにボリビア国も大きな期待を寄せています。

新型コロナウイルス感染症の影響により、プロジェクト期間は、2022年5月までと1年延長となりましたが、残り期間に実施すべき活動は多く、新カリキュラム導入に関する活動や、プロジェクト終了後の持続性・発展性を見据えた協議等、チーフアドバイザーの現場での活動は、目まぐるしいものでした。

まず、9月からの新カリキュラムを使用したクラスの開講準備のため、教授案作成に関する研修を実施し、ラパス校の教員計35名が受講しました。その他各種研修の実施のほか、両校に属するカウンターパートへの技術指導や技術移転も行いました。

次に、プロジェクト終了後の持続性・発展性を視野に入れた活動においては、カウンターパートが自ら能力強化できる仕組み作りのため、実施責任機関である保健・スポーツ省との協議や、現地実施機関である国立ラパス公衆衛生校及び日本・ボリビア国立医療技術者養成校の関係者との協議を行いました。

今回の活動内容も含め、ジェイソン・アウサ保健・スポーツ大臣及びアドリアン・ケルカ教育大臣からは、これまでの活動と日本国民からの支援への謝意を受けました。また、プロジェクト終了後もボリビアの医療従事者の質が向上していくために必要な課題等について両大臣と意見交換し、残り少ないプロジェクト期間における全面的協力も約束されました。

ボリビアでは、新型コロナウイルス感染症の第3波が収束し、つかの間の安心感が漂っていますが、いつ第4波に入ってもおかしくない状況だと言われています。いまだ出口の見えない新型コロナウイルス感染症との闘いの中ではありますが、関係者一丸となって、感染予防に留意し、プロジェクトが計画通りに進捗するよう取り組んでいきます。

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小川正子チーフアドバイザーとジェイソン・アウサ保健・スポーツ省大臣の記念写真

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研修で講師を行う小川正子チーフアドバイザーの様子

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カウンターパートに対し技術指導を行っている様子(左からアナ・マリア・サルゲロ日本・ボリビア国立医療技術者養成校校長、小川正子チーフアドバイザー、マリア・イサベル・フェルナンデス国立ラパス公衆衛生校)