西バルカン地域諸都市とのネットワークを確立!都市公共交通に係るウェビナーの開催

2021年6月10日

2021年6月10日、サラエボ県交通省とJICA及びJICA専門家チームは、西バルカン地域諸都市の都市公共交通に関するウェビナーを実施しました。本ウェビナーには、サラエボのみならず、近隣諸都市のベオグラード(セルビア)、スコピエ(北マケドニア)、ティラナ(アルバニア)、ポドゴリツァ(モンテネグロ)の公共交通局からの代表が参加し、各都市における公共交通の概要と実態について発表を行いました。また、国際開発機関であるドイツ国際協力公社(GiZ)、スウェーデン国際開発協力庁(SIDA)からの出席もありました。

西バルカン地域諸都市では、バス、トラム、トロリーバスなどの公共交通機関が普及している一方で、近年ではタクシーや自家用車の増加に伴う混雑と大気汚染への対策が急務となっています。

そのため、本ウェビナーでは、環境に優しい公共交通網構築に向けた取組みとして、ベオグラードで電気バスが導入されたこと、CNGバスがスコピエなどの都市の一部路線で導入されたこと、ティラナでEV(電気自動車)タクシーの普及が進んでいること、サラエボでシェアサイクルが導入されることなどが紹介されました。また、各都市では公共交通の老朽化・低速化が共通の問題であり、トラムやバスの車両更新や整備、運行サービス改善に向けた取り組みが今後重要であることが明らかとなりました。また、ベオグラード、ポドゴリツァをはじめとする都市では、ICカードやアプリによる情報共有システムも進んでいることが明らかとなりました。

意見交換では、いかにティラナが補助金なしのセルフ・ファイナンス方式によるバス運営を行っているかという点について質問があり、ティラナ市交通部から、オペレーターによる財源確保の方策について紹介がありました。また、複数の事業者による競争をどのように確保するかという点や、新型コロナウィルスが各都市の公共交通機関に与える影響等についても活発な意見交換が行われました。

本ウェビナーは、西バルカン地域諸都市の公共交通の実態や課題を、関係者間で共有する貴重な機会となりました。今後も、西バルカン地域諸都市のネットワーク構築に向けた活動を継続していく予定です。

参考

主な出席者:ボスニア・ヘルツェゴビナ国サラエボ県交通省、JICA本部、JICAバルカン事務所、JICA専門家チーム、セルビア国ベオグラード市公共交通部、北マケドニア国スコピエ市交通部、アルバニア国ティラナ市交通部、モンテネグロ国ポドゴリツァ市交通部、GiZ、SIDA

ウェビナーの様子

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