森林情報分野・森林火災分野の専門家作業部会が実施されました(ボツワナ)

2017年11月10日

11月6日~10日 於:ボツワナ共和国、ハボロネ

2017年度は3分野の具体的な活動が進んでおり、森林情報分野と森林火災分野の専門家作業部会EWG(Expert Working Group)及び合同研修が、ボツワナで開催されました。

情報分野と火災分野ではそれぞれの分野における課題と担当者間の相互理解を深めるために、各分野1名が参加し合同研修を実施しました。

合同研修は始めの3日間を共通プログラムとして、森林情報基礎研修とボツワナの森林および防火帯視察を行い、情報分野と火災分野の担当者が、それぞれのニーズと可能性を理解するよい機会となりました。

森林情報基礎研修では各国の情報担当者と火災担当者が共同作業を行うことで、GISやリモートセンシング(注)といった技術の習得だけでなく、森林情報の収集や利用が、火災分野の検知や火災跡地回復にどのように役立つかを議論しました。

現場視察では、2つのポイントを設定しました。情報分野では、異なるタイプの森林の境目を見学しボツワナの森林定義について確認するとともに、南部アフリカ開発共同体(SADC)域内に森林タイプが多様であることを学びました。火災分野では、森林火災が広がることを防ぐ目的で造られる防火帯を訪問し、ボツワナ政府による地元住民参加の促進、雇用対策と防火に対する意識向上に向けた取組を学びました。

4日目からのEWGでは、それぞれの分野に関連する研修と視察を基に、議論が活発に進みました。情報分野では、植生や環境が各国で異なるSADCの状況に合わせた国家森林情報システム開発を行なう重要性が再確認されました。また、各国の森林情報システムを如何に更新していくか、また各国で異なる様式の森林情報を如何に地域共通のものにするかの議論を深め、あわせて今後の能力強化研修案を策定しました。火災分野では、計画火入れ研修の振り返りと、ガイドラインの目次案を作成しました。今後は各国で、森林火災管理についての事例紹介を執筆します。2017年に研修を実施したKISHUGU社からも専門家がオブザーバーとして参加し、参加者からは、的確なアドバイスが得られたと高評価でした。

両分野とも、能力強化研修の詳細を含む活動計画が策定され、次回の合同調整委員会(JCC)に発表して承認を得ます。さらにプロジェクト終了後の取組を誰がどのように行うかといった議論が始まり、外国の援助に頼らない自主的で持続的な活動が検討されています。さらにプロジェクトでは、議論や情報共有を行うための新たな機会として、インターネットを活用して、国境や時差を越えて情報共有できる仕組みを提供してく予定です。

(注)詳しくは、「森林情報分野の第一回基礎研修」をご参照ください。

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ボツワナの森林で各国の森林定義について議論

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森林情報分野の専門家作業部会

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森林火災分野のディスカッション