本邦研修が実施されました

2022年9月2日

2022年8月22日から9月2日にかけて、本プロジェクトのカウンターパートである道路維持管理総局(DGER)、及び関連する所管部局から、計8名の研修生が日本での研修に参加しました。研修生は、新型コロナ禍の中、健康状態に万全にして参加するため、研修開始日に合わせて10日間早く来日し、オンラインによる開講式を皮切りに、日本の舗装技術やアスファルト舗装の維持管理の現場を精力的に訪問しました。最後に、グループワーク等を2日間に分けて実施し、事前に抽出した本国の点検・診断及び道路維持管理予算のおける課題に対して、本研修で習得した知見と知識を整理し、理解を深めました。

技術研修の講習や現場視察として主要イベントとしては、
1)東亜道路工業(株)、及び酒井重工業(株)による舗装修繕の新材料や再生工法の技術、
2)大阪府が道路管理者として実施している軽微な補修修繕を伴う日常パトロール、
3)阪神高速道路(株)による自動車専用道路の中央制御システムと日常の維持管理作業、
4)京都大学が途上国において実施しているコミュニティ参加型の道路整備の手法、
について学びました。このように、日本の産・官・学を代表する研修先を幅広く訪問したことで、日本における三者の連携や役割について、認識されました。

特に、東亜道路工業(株)では、東京都技術仕様を満足している全天候型常温合材のデモ施工を体験し、大阪府では、府職員による直営作業班による実際の施工現場を目の当たりにしたことで、常温合材を用いた軽微な舗装補修修繕を、自国でも活用可能な技術であるとして、研修生たちの強い関心を集めました。この研修をきっかけとして東亜道路工業(株)から本プロジェクトに対して2種類の全天候型常温合材100kgが無償供与され、研修生たち自ら持参し帰国しました。今後プロジェクト対象道路において試験施工を実施し、自国の自然条件や交通状況でどの程度の耐久性が発揮されるのか、確認を行う運びとなりました。

全体を通して、研修生たちからは質問や意見が常に積極的に飛び交い、グループ発表の前日には自由時間を割いて自主的に会議を行うなど、真摯に研修に取り組む姿勢が伺えました。
最終日の終了書授与式において団長のMs. Sonia総局長からは、【我々は日本の方々から多くのことを学びました。日本の方々も我々から何かを学んでくれていると嬉しいです。】との言葉が述べられました。

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常温合材のデモ施工(東亜道路)

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直営作業班の施工現場(大阪府)

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震災資料保管庫の視察(阪神高速)

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JICA関西での修了式