カンボジア東部・北東部にて簡易帳簿に係る納税者向けセミナーを実施

2016年8月5日

2016年1月より、カンボジアでは推計課税制度が全面的に廃止され、事業者所得者は申告納税制度へと移行する法改正がなされました。これを受け、当プロジェクトではこれまで推計課税制度の対象であった小規模事業者に対し、小規模の納税義務や小規模事業者の申告納税手続きに関する知識を正しく得てもらうべく、納税者向けの簡易帳簿(SAF:Simplified Accounting Format)セミナーを実施しています。
2016年8月2日〜5日にかけて、Mondul Kiri州、Ratanak Kiri州、Stung Treng州、Preah Vihea州の各州にて小規模事業者向けの納税義務と簡易帳簿セミナーを実施しました。GDT副総局長Heng Soknang氏、Preah Vihea州副知事にも出席頂きました。
Mondul Kiri州はカンボジアでは珍しい高地で標高1,000mあり、涼しく、北海道の美瑛、富良野のような風景もありました。現在は森林が切り倒され、ゴムの木やキャッサバなどのプランテーションが多く作られています。Rattana Kiri州もプランテーションが多いものの、多くの少数民族が住んでおり、町外れに大きなカルデラ湖が存在しています。Stung Treng州は隣国ラオスとの国境に面し、Preah Vihea州はタイと国境を接した山頂に、世界遺産登録である有名な寺院遺跡があります。
全体的な特徴としては、どの州も面積が広いものの、人口が少ない点です。プランテーションなどを除くと目立った産業もないため、納税義務のある事業者も非常に限られています。
なお、カンボジア北東部には空港がないため、全て車での移動となり、遠いところでは、プロジェクトチームは片道11時間かけて悪路を移動し、大変な状況でした。
また、セミナー終了後には各税務署を訪問し、署長をはじめ税務署幹部との面談も実施しました。

州名 人口(人) 面積(平方キロメートル) 人口密度(人/平方キロメートル)
Mondul Kiri州 61,107 14,288 4
Ratana Kiri州 150,466 10,782 14
Stung Treng州 111,671 11,092 10
Preah Vihea州 171,139 13,788 12

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セミナーで挨拶をする武藤チーフアドバイザー

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セミナー開会式の様子

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熱心にセミナーに聞き入る納税者

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個人宅を賃借中のStung Treng税務署の外観

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Preah Vihea税務署長と武藤チーフアドバイザー

【画像】非常に少ない全税務署員との集合写真