第2回プロジェクト合同調整委員会を開催し、コロナ禍等の影響からの回復計画に合意しました

2022年2月15日

2020年10月に始まった本プロジェクトも1年余りが経過し、三か年計画の中盤を迎えることとなりました。その節目に際し、去る2月7日、第2回合同調整委員会を開催しました。合同調整委員会は、プロジェクトの進捗状況を確認し、今後の方針を決定するプロジェクトの最高意思決定機関としての役割を担っています。カンボジア側からはプロジェクトの各カウンターパート機関(環境省、森林局、現場活動を実施するストゥントレン州環境局、同州森林局)の代表が、日本側からはJICA専門家に加え日本大使館、JICA本部、JICAカンボジア事務所等の代表が参加し委員会を構成します。コロナ禍の影響が続く中オンラインでの開催となりましたが、JICA事務所亀井所長を来賓として迎え、プロジェクトの主要関係者が一堂に会する中、プロジェクトの活動を巡り活発な議論が交わされました。

会議は三部構成で行われ、第一部では、カウンターパート代表が1年目の進捗報告を行うとともに、その結果を踏まえ、JICA専門家代表がプロジェクト全体計画の変更を提案しました。重要な変更点は、保護区等のレンジャーの能力向上を州レベルの活動に追加することで、続く第二部における議論を経て、委員会としてこの変更計画を承認することが合意されました。そして、その合意に基づき、コロナ禍で停滞していた全国レベルの保護区行動計画のモニタリングの促進、生産林戦略計画の策定の加速、森林モニタリングシステムにおける衛星監視データやドローン画像の利用等が盛り込まれたプロジェクト2年目の詳細活動計画案が各活動の担当カウンターパートから発表され、委員会により承認されました。これにより、委員会に出席したプロジェクトメンバーは、所定の成果を達成するため、承認された詳細計画に基づき、2022年の活動を積極的に展開することを確認しました。
第三部では、JICAのオンライン研修に参加したカウンターパートによる、研修成果普及のための発表が行われました。2021年には、2名×3組のカウンターパートがそれぞれREDD+政策立案、リモートセンシング、衛星技術を用いた森林管理をテーマとする研修に参加する機会を得ました。

プロジェクトの初年度を振り返ると、コロナ禍に翻弄され続けた1年であったと言えるでしょう。2020年10月の始動当初、カンボジアでは水際対策が功を奏しコロナの影響はほぼ皆無でしたが、翌年2月以降、カンボジア国内で急速に感染が広がる中、首都のロックダウンや州間移動禁止等の厳しい規制もあり、計画された活動の多くが遅延、停滞することを余儀なくされました。そのような背景がある中で開催された今般の合同調整委員会では、活動の遅れを取り戻し、プロジェクト期間内に所定の目標や成果を達成するための計画変更が大きな焦点となりました。プロジェクトでは、これら新計画を道標として、カウンターパートのより主体的な参加を促しつつ、各活動を進めていきたいと意気込んでいます。

【画像】オンラインで行われた第2回合同調整委員会の参加者

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新計画に基づき、住民による参加型森林管理を支援するストゥントレン州の森林