ストゥントレン州で森林資源調査に取り組んでいます

2022年4月13日

プロジェクトでは、国家森林モニタリングシステム強化支援の一環として、ストゥントレン州を対象とする森林資源調査に取り組んでいます。この活動は、単に森林資源情報の収集だけではなく、将来カンボジアが国家レベルでの森林資源調査を展開するための人材育成や、グッドプラクティスの蓄積も目的としています。

この森林資源調査における野外調査は、準備作業も含め、2021年11月から2022年2月の間、ストゥントレン州で実施されました。ストゥントレン州環境局・森林局の現場スタッフや、調査対象地域住民の協力を得ながら、JICA専門家と王立農業大学(RUA)の研究者が合同で、環境省・森林局の技術職員とともに調査を行いました。

1月中旬、カンボジア側関係者の調査手法習得を目的に実施した事前調査を皮切りに、州内120か所のクラスターを対象とする野外調査が、ひと月以上にわたり展開されました。この調査では、FAOによって2018年に策定されたカンボジア国家森林調査マニュアルに準拠しながら、立木や枯死木の直径・高さ/長さ・種類、調査プロットの樹冠密度等を測定するとともに、土壌と枝条サンプルの採取も行いました。5名から成る調査チームが5組結成され、平均すると、1日に1クラスターのペースで調査が進行したことになります。

野外調査完了後の3月25日には、調査の実施状況を報告するためのワークショップがオンラインと対面のハイブリッド方式で行われ、調査チームからは調査手順、調査クラスターやプロットの規格、使用機材等調査の概要について報告がありました。

現在、野外調査結果に基づくデータ入力・分析、調査報告書の作成が進められており、2022年6月に完了する予定です。

この森林調査で得られるデータや経験は、将来カンボジアで実施されるであろう国家森林資源調査に役立てるため、プロジェクトから関係機関に共有される予定です。国家森林資源調査は、森林と森林資源の持続可能な経営と利用のため、4年または5年ごとに全国を対象に実施することが推奨されており、森林炭素クレジットの取引に欠かすことができない透明性、一貫性、精度を保証するものです。

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野外調査に先立ち、調査クラスターの位置を確認しています

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調査地を目指し森の奥深くへと分け入る調査チーム

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計器の使用方法を指導するJICA専門家

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予備調査に参加したプロジェクトのカウンターパートやRUAスタッフ

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樹木の胸高直径を計測するRUAスタッフ

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土壌サンプルを採取するRUAスタッフ