ストゥントレン州で固定翼ドローンの研修を実施しました

2022年5月12日

プロジェクトでは、国家森林モニタリングシステム強化支援の一環として、固定翼ドローンの導入に取り組んでいます。環境省および森林局は、森林モニタリングをはじめとする日常業務で小型の回転翼ドローンを使用しているものの、小型のドローンは飛行時間が限られることから、より広範囲を短時間で撮影できる固定翼ドローンの導入が望まれていました。この研修では、固定翼ドローン導入の第一歩として、環境省および森林局の職員を対象に、固定翼ドローンの基本的な操作方法やデータ処理に関する技術移転をストゥントレン州で行いました。

研修はフィールドでの実習を中心に、環境省は2022年4月20日から4月21日、森林局は4月26日から4月27日の各2日間実施しました。固定翼ドローンは回転翼ドローンと異なり、オペレータによるマニュアル操作ではなく、専用ソフトを用いて飛行計画を作成し、自動飛行させる必要があります。研修ではドローンの仕組みや必要な機材、全球測位衛星システム(GNSS)地上基準局の設置、離発着の演習に加え、異なる飛行高度や飛行コース、飛行範囲、写真撮影の重複率で飛行計画を作成し、演習を繰り返しました。

フィールドでの実習後、撮影した空中写真からオルソフォトや数値地形モデル(DTM)を作成するため、データ処理の研修を行いました。

固定翼ドローンは自然保護区や生産林の境界線画定やゾーニング、土地利用被覆やその変化の把握、違法伐採の監視など森林モニタリングに関する様々な日常業務で活用が期待できます。今後は、固定翼ドローンの普及に向けた研修教材の開発を進めるとともに、環境省および森林局のニーズを踏まえ、パイロットプロジェクトの内容決定とその実施を通じ、固定翼ドローンを用いた森林モニタリングのOJT研修を実施します。

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研修参加者(環境省)

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研修参加者(森林局)

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機体の準備

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飛行計画の作成

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飛行演習

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空中写真処理研修

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研修で使用した固定翼ドローン