保護区レンジャーに必要な能力の検討のためのワークショップを実施しました

2022年6月28日

カンボジアでは、保護区やその周辺に暮らす地域住民が、彼らの生活に多様な恩恵をもたらす森林の保護のため重要な役割を担っています。そんな彼らの貢献をサポートするため、プロジェクトでは、ストゥントレン州を対象とする州レベル活動コンポーネントの中で、保護区レンジャーの能力強化を計画しています。これは、地域住民によるコミュニティ保護区の持続的自然資源管理をレンジャーが効果的に支援することができるよう、研修を通じてレンジャーに不足している能力を強化しようとするものです。

2022年5月31日、地域住民支援に関する保護区レンジャーの能力を検討し、研修ニーズの掘り起こしを目的とするワークショップをストゥントレン州環境局で開催しました。ワークショップには、ストゥントレン州のプレイロン野生生物保護区、シェムパン野生生物保護区、ヴェルンサイ・シェムパン野生生物保護区、ヴィラチェイ国立公園の管理事務所およびコミュニティ保護区から、計28名のレンジャーおよび地域住民が参加しました。

ワークショップは、ジェンダーバランス等発言の機会均等に配慮しながら、グループディスカッション方式で進行しました。前半は、レンジャーと地域住民をそれぞれ2組に分け、レレンジャーグループは「コミュニティ保護区に対しどのような支援を行っているか、どのような支援が可能か?」をテーマに、地域住民グループは「保護区レンジャーにどのような支援を期待するか?」をテーマに話し合いました。後半は、レンジャーと地域住民の混成グループを2組作り、レンジャーの能力とコミュニティ保護区の支援ニーズを比較し、強化すべきレンジャーの能力を検討しました。

グループディカッション後には、各グループの代表が登壇し、話し合いの結果を報告しました。そして、ワークショップの最後に、参加者は議論の成果を取りまとめ、レンジャーの能力に関する期待と実状の差異を明らかにし、その差異を埋めるための研修課題(法執行、コミュニティ保護区管理、森林モニタリング技術、コミュニケーションスキル等)を提案するとともに、それらの優先順位付けを行いました。今後プロジェクトでは、これら提案され順位付けられた研修課題に基づき、ストゥントレン州内で活動する約60名の保護区レンジャーを対象とする研修計画を策定、実施する予定です。

ワークショップの終了後、参加したレンジャーやコミュニティ保護区の代表からは、このワークショップが行政と地域をつなぐ貴重な意見交換の機会になったとの評価が聞かれました。

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ワークショップ参加者

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州環境局のカウンターパートがファシリテーターを務めました

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保護区レンジャーによるグループディスカッション

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コミュニティ保護区住民代表によるグループディスカッション

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保護区レンジャーと住民代表によるグループディスカッション

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グループディスカッションの結果報告

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最終セッションでの取りまとめの様子