プロジェクトニュース_02

2013年7月31日

他の二人の長期専門家が着任しました

前回お知らせしました二人の長期専門家、小川さんと菊地さんですが、小川さんは、サント・ドミンゴのプロジェクト事務所で、菊地さんはバラ・デル・コロラド野生生物保護区の管理主体であるトルトゥゲーロ保全地域(ACTo)の事務所で勤務をしています。
二人ともラテンアメリカでの経験があり、既にコスタリカに溶け込んでいます。職場の方からも絶大な信頼と人気を得ています。

キックオフ・セミナー

7月22日のことですが、プロジェクトのキックオフ・セミナーを行いました。プロジェクトの内容をより多くの人に知ってもらい、同時に、プロジェクト活動がSINACや他のコスタリカ国内で活動する類似のプロジェクト等と重複しないようにするために、今後調整を進めていく意味もありました。70人ほどの人が来場し、質問や意見交換も活発に出ました。
今回のイベントを通して感じたのは、簡単なイベントでも、配布用のフォルダーやプロジェクト説明のパンフレットを作ったり、招待状を送ったり、司会の方の台本を作ったり…と、結構な手間と時間がかかるものだなぁ…ということでした。プロジェクトの最初の活動ということもあるのでしょうが、対外的なイベントをやることの大変さをあらためて実感させられました。
コスタリカ人同僚のアイマラさん始めC/P機関の全面的な協力が得られ、大盛況だったと思っています。

法令を作ることと守ってもらうための仕組み

コスタリカでは、土地登記のされていない森林は、「国家自然遺産地」という指定を受けた国有地として扱われます。この中で活動を行うには国の許可を取る必要がありますが、許可行為を受けられる活動は、環境教育、エコツアー、学術活動に限られています。しかし実際には、それ以外の活動をしながら、長い間住んでいる人たちがいます。このようなことは、複数の保護区内で起きており、法令を厳しく順守するのであれば、住民の強制退去が行われてしまう場所が多くあります。しかし、人権問題や住民の転居先等を考えると現実的な解決策とはなっておらず、保護区管理を行う国家保全地域庁(SINAC)は法令と現実の板挟み状態にあります。
現在、SINACでは、許可行為を受けられる活動を増やすことにより、住民が「合法的に」保護区内や国家自然遺産地区域内に住めるようにすることを考えており、規則案の作成や運用のための土台作りがプロジェクトの活動の一つとなっています。行政の立場からすれば、ともすれば法令上の道を作りさえすれば、実際に許可を申請するかどうかは、後は住民の主体性の問題であり、とりあえずは問題解決なのかもしれません。しかし、せっかくの法令も、遵守されなければ何の意味もありませんし、同じことの繰り返しになります。罰則で縛ることだけが現実的手段でないことは、現在の状況が証明していると思います。日本で法令を作っている方たちには当たり前のことなのでしょうが、住民が実際に許可行為を申請するためのインセンティブも一緒に考えて、法令が機能していくための仕掛けを、改訂される法令の中に含めていくこと、つまり「法令の作り方」も大切な「技術」の一つなのだなと考えています。

職場でのパソコンの使い道

コンピュータが無いと仕事が進まなくなってしまったのは、日本でもコスタリカでも一緒ですが、コスタリカでのコンピュータの使い方の一つに、仕事中に音楽を聴くというのがあります。小さな音量で静かな音楽を聴いている分には、こちらの耳にも心地よいのですが、歌詞を知っている曲がかかると、頭の中で、歌詞がぐるぐる回って、どうしても仕事に集中できません。特に文書を作っているときなどは、最悪です。いつの間にか文書が「あぁー、私を振ったあの人は今…」となっていたりします。また、時には、一緒に歌いだす人もいますし、先日などは、有名な歌なのか、職場の人が複数で合唱を始め、日本のオフィスではなかなか見ることのできない職場の風景が見られました。

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キックオフ・セミナー1(2013年7月・サン・ホセ)
(左から:Ana Lorena Guevara 環境省副大臣(当時)、Luis Rojasプロジェクト・マネージャー、Rafael Gutierrez SINAC長官(当時)、篠崎泰昌コスタリカ支所長、大澤正喜チーフ・アドバイザー)

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キックオフ・セミナー2(2013年7月・サン・ホセ)