プロジェクトニュース_10

2014年10月24日

教員を対象とした環境教育研修

バラ・デル・コロラド野生生物保護区内の教員を主な対象とした環境教育研修が2014年10月20日(月)〜10月21日(火)の一泊二日の日程で、エレディア県のサラピキ市プエルト・ビエホにあるLa Reserva Biológica Tirimbinaという施設で行われました。

この研修は、プロジェクトの活動のひとつである「バラ・デル・コロラド野生生物保護区内の環境教育活動の強化」の中のひとつであり、トルトゥゲーロ保全地域事務所およびコスタリカ保全地域システム庁の環境教育戦略を含んだ教育活動を、教員に計画・実行してもらうための研修でした。

コスタリカの公共教育省は学校教育の中で環境教育という科目を設定しているわけではなく、算数や理科、社会等の各科目の中で環境を題材とすることで、環境を科目横断的な課題として設定しています。また、公共教育省以外にも環境エネルギー省や市役所等が学校を訪問して行う環境教育の活動もありますが、今回は、バラ・デル・コロラド野生生物保護区内で進める環境教育を、環境エネルギー省と公共教育省が一緒に進めていくことを目指した活動の第一歩でもありました。

研修には、コスタリカの環境教育のコンセプトを理解してもらうための講義や、バラ・デル・コロラド野生生物保護区の基本コンセプトを理解してもらう講義に加え、実際に自分たちの小学校において、子ども(生徒)を対象にできるレベルのワークショップから、教員自身が環境教育を理解するためのものまで様々なレベルの講義とワークショップがありました。どれも完成度の高いものばかりで、一泊二日という短い期間の研修ではありましたが、その内容の濃さは参加教員を十分に満足させるものでした。

また嬉しいことに、2008年から2011年までに行われていたプロジェクトで派遣された環境教育の短期専門家がカウンターパート達に伝授してくれた技術を、今回はカウンターパートが学校の先生に伝授するところも見ることができ、日本の技術協力が相手国のカウンターパートに根付いているという実感を得ることもできました。

最終日に、教員側からこの研修に対する印象や感じたことを意見する時間があり、「自分たち(教員)の自然環境に対してのイメージを引き出すような素晴らしい研修プログラムだった」「今までトルトゥゲーロ保全地域事務所環境教育担当職員が学校に来て行ってくれた授業もよかったが、この研修で学んだことも素晴らしかった」などの声が上がりました。さらに、今までにたくさんの教育プログラムが出ては消えていったことから、「この環境教育のプログラムは、持続可能なプログラムにしなければならない」との声や「ひとつの環境教育のプログラムは、様々な教科につながり関連をもって教えることができる」などの重要な気づきを示唆する声が上がり、今回の環境教育研修の充実度を感じることができました。

今回の研修で、各学校の教員が年内に実施する環境教育の教育指導案を作っており、フォローアップとしてその授業の各実施日に、各学校を訪問する予定です。

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講義の様子

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ワークショップの様子

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ワークショップの様子