海上保安庁所属専門家の渡航再開

2022年6月13日

約二年ぶりの現地渡航

2022年1月20日~26日ジブチ沿岸警備隊(DCG)を対象とした法執行に関する現場対応能力の向上を図る活動(成果1関連)のために、JICA短期専門家(海上保安庁モバイルコーポレーションチーム:MCT)の第5・6次派遣が実施されました。新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、現地への渡航ができずにオンラインによる研修を行っていたところですが、今回、約2年ぶりに現地への渡航が実現し、オンラインでは困難だった対面での実技指導が再開できました。

対面での制圧訓練

今回の派遣では、DCGの指導官候補の隊員6名に対し、法執行活動を行ううえで必要な制圧技術の訓練を実施しました。

指導官候補の隊員たちは手首をつかむのに適切な位置や捻り方を身に着けることで犯人を最小限の力で制圧する技術を学びました。JICA短期専門家に技をかけてもらい、体感しながら技術を確認したり積極的に質問したりする姿も見られ、とても意欲的に研修に参加していました。

【画像】

制圧訓練(手首のとり方)

【画像】

修了式

コロナ対策を念頭に基礎的な搬送訓練も実施

加えて、今回の派遣中には、DCGの新型コロナウイルスなどの水際対策と緊急時対応に係る能力強化を目的とした技術協力「新型コロナウイルス影響下の沿岸警備における感染防止及び緊急時対応能力強化プロジェクト」の一環として、基礎的な搬送訓練も行われました。負傷者の搬送時は、負傷者一人を隊員一人で搬送、負傷者一人を隊員二人組で搬送する方法など、状況に応じて負傷者をケアしながら適切に搬送することが求められます。隊員一人で負傷者一人を背中に担いで搬送する場合、負傷者の手のつかみ方、足のからませ方、体重移動などの技術習得が必要です。DCGの隊員達は、救助する側、救助される側、両方の立場を何度も体験し技術習得に励んでいました。

【画像】

搬送法訓練(二人組搬送)

対面での指導を振り返って

対面での技術指導では、参加者の表情を見ながら理解度を確認しつつ、身振り手振りでより細かな指導ができるメリットを再認識する機会となりました。新型コロナウイルスの感染状況や渡航制限状況に引続き留意しつつも、今後、できる限り現地への渡航を実現し、より効果的にDCGの能力向上に取り組みたいと考えています。

【画像】

集合写真