船艇機関指導官の育成

2022年6月15日

船艇機関維持管理の心構え

2022年4月12日~28日、ジブチ沿岸警備隊(DCG)を対象とした船艇機関維持管理研修(成果3関連)を実施するために、JICA短期専門家(日本海難防止協会)の第4次派遣が実施されました。DCGの将来の機関指導官(工務官)候補生9名は、膨脹式救命いかだの仕組みを学びながら整備の重要性や航海日誌、機関日誌など整備記録を維持する意義などについて学びました。また、本プロジェクトでは、小型ボート用船外機の維持管理能力の向上にも取り組んでいます。DCGのポート・ド・ペシュにある船外機整備場は、船外機の部品や工具が乱雑に置かれている状況でした。そこで、佐野専門家は、機関指導官候補生に、ジブチに拠点を置くメーカーサービス業者の整理・管理状況を好事例として紹介しながら、まずは船外機整備場の予備品・工具を適切に管理することが重要であることを伝えました。なお、船外機研修では、2022年7月から10月にかけて、前述のサービス業者の協力を得て初級~中級レベルの維持管理研修を予定しています。

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DCG船外機整備場の部品や工具の管理状況

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現地サービス業者の管理状況

DCG内での知識・技術の伝承に向けて

巡視艇は定められた手順に従った整備が基本となりますが、DCGには定められた整備手順を明記した整備維持管理マニュアルが存在していません。本プロジェクトではこれらマニュアルの作成も始めており、マニュアルを使いながら船艇機関の指導官を育成していくことを計画しています。そうすることで、将来は、彼ら自身が、DCGの船艇機関の整備維持管理を行うスタッフを育成し、本プロジェクトで得た知識や技術が後進に伝承されていくことを目指しています。

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空調機用の冷却水ポンプの整備後の運転確認

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整備を要する部品の確認

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機関指導官候補者との集合写真