2015年9月1日
日本の政府開発援助は、1955年の外国人研修員受入事業から始まっています。この事業は、重要な技術移転の方法として、現在も広く実施されています。近年では、年間約9,000名程度の研修員を開発途上国から受け入れ、様々な分野で研修が実施されています。
当プロジェクトでも普段共に働いているコンゴ人の同僚を日本に招き、保健人材開発に関する研修を行っています。2014年度は3名、2015年度は5名の同僚を研修員として日本に招聘し、国立研究開発法人国立国際医療研究センターの協力のもと、東京と長野県で研修を実施しました。研修の目的は、保健人材の養成配置定着や国家・地方政策等についての議論を深め、自国への適用策・改善策を計画できる、と設定しました。この研修目的に沿い、東京では厚生労働省、日本看護協会、自治医科大学、国立国際医療研究センターから講師を招き、講義を受講しました。長野県では、JA長野厚生連佐久総合病院および関連施設、佐久大学を訪問し、地方における保健人材養成や人材確保対策等に関する講義を受講すると共に、施設見学などを行いました。また、各講師の先生方との質疑応答や意見交換を行ない、日本における医師、看護師、助産師を中心とした保健人材に関する歴史的経緯や現状、展望に関する理解を深めました。また、自国における保健人材の現状を自国外から見つめることにより、コンゴ民における課題や解決策を客観的に分析する機会を得ました。今回の研修を通じて学んだ日本の経験を、どのように改良しコンゴ民に取り入れるか、研修員の試行錯誤が続いています。