次なるターゲット…オーカタンガ州

2016年1月29日

2015年12月。プロジェクトの次なるターゲット州であるオーカタンガ州医務局と保健監督局からそれぞれ担当者を招待して、キンシャサINPESS(注)にてこの州でのデータベース作成作業の作戦会議を開きました。
2015年全般をかけてコンゴセントラル州でのデータベース作成作業を支援してきた「仕掛け人」石嶋専門家と、同じく行動を共にしてきた右腕マダムマギー。オーカタンガ州側の担当者は、初めてのことなのでかなり当惑していましたが、コンゴセントラル州での経験を総動員してこの州での作業方針を一緒に検討しました。

オーカタンガ州はコンゴ民主共和国(以下、コンゴ民)の最南端にある州で、ザンビアに隣接しています。面積はコンゴセントラル州の2.5倍…といってもわかりづらいので、北海道の1.5倍、日本の陸地面積の約3分の1くらいあります(でかっ!)。でも、人口は100万人余り、つまり広大な州内をよりダイナミックに活動しなければならなさそうです。

そんな広大なオーカタンガ州での活動計画は、主に幹線道路を軸とした「Axe」と呼ばれる考え方を基本にして、4〜5ステージ(1ステージあたり2〜3週間)で行うというイメージが共有されました。課題は移動のための車両。昨年来、州医務局と州保健監督局が分割されたことで資産も分割されてしまったため、どちらの事務所でも職員の公務のための車両が不足しがちなのです。レンタカーを借り上げたりしたら、天文学的な金額になってしまうため、なんとしても車両の都合をつけなければなりません。
困り果てた末に、IPSの保健監督官ムッシュー アスマニ氏より「IPS車両の都合がつくかどうか掛け合ってみる」との申し出がありました。プロジェクトでも準備万端、出先で故障などしないようにできる限りのメンテナンスのお手伝いをする方向で検討しています。

オーカタンガ州は、地域によっては今も反政府ゲリラが活動している地域もあり、とても難しいところ。我々一同、細心の注意を払いながら、この活動を進めてゆきたいと思います。

(補足:文中のオーカタンガ州は、「Haut Katanga」と書き、旧カタンガ州が4つの州に分割され、そのうちの一つがこの州となりました。Hautはフランス語で「高い」「上の」という意味ですので、日本語的には「上カタンガ州」となりましょうか。)

(注)INPESS:中級保健人材養成校の略称であり、日本の支援で建設された学校。現在、日本人専門家が配置され、学校運営機能強化に向け、奮闘中。詳しくは、ニューズレターをご覧ください。

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1クール内でどの保健区での活動を行うか。交通アクセス、季節ごとの天候など、様々な条件を検討しながらグループ分けを行う。

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オーカタンガ州保健監督局の担当官ムッシューアスマニ氏。天候、地理などの他、治安も考慮する必要がある。活動のための車両については、保健監督局内で調整を試みる。

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全体の作業方針を全員で確認し合う。フランス語が不得手な石嶋をマダムマギーが絶妙のタイミングで補足(涙)。

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様々な要件を関係者で検討し、現地調査プランを立案する石嶋専門家。

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石嶋専門家(写真左)と共にオーカタンガ州関係者に技術指導する狩野専門家(右から3番目)。