「耐震建築のための建築制度の運用ハンドブック普及ワークショップ」を開催しました

2020年3月10日

2020年3月6日にエクアドル自治体連合(Asociación de Municipalidades Ecuatorianas:AME)がJICA「地震と津波に強い街づくりプロジェクト」と都市開発・住宅省(Ministerio de Desarrollo Urbano y Vivienda:MIDUVI)の協力の下で「耐震建築のための建築制度の運用ハンドブック普及ワークショップ」をキト市のエクアドル自治体連合(AME)の講堂で開催しました。本ワークショップの目的は以下とおりです。

・耐震建築の建築プロセスの管理のために「建築制度運用ハンドブック-建築物耐震化を目指して-」を配布し、内容の紹介する。
・プロジェクトのパイロット市(ポルトビエホ市、サリナス市)での運用事例を紹介する。
・エクアドル建築基準(NEC 15)への理解を深める。
・耐震性向上への取組みの重要性、その推進上の課題を共有する。

エクアドルでは2016年4月16日にエクアドルのマナビ県北部を震源とするM7.8(米国地質調査所発表)の地震が発生し、死者660人超、避難者約3万人、住宅・学校等多数の建物において甚大な被害がもたらされました。地震による人的及び建築物の被害要因の一つは、住宅などの建物が建築制度に基づき適正に建てられていないことであるという課題を踏まえ、本プロジェクトの成果目標の一つして、「成果3:「建築制度の運用ハンドブック」に基づき、市の建築制度の運用体制が整備される。」が設定されています。
本ワークショップは成果3の活動として実施され、エクアドルの各市の建築、土地計画の担当者など65名が参加しました。プロジェクトのパイロット市であるポルトビエホ市とサリナス市のプロジェクト担当者が発表者として、プロジェクトで作成したハンドブックに基づく設計審査や工事検査の事例を紹介し、各市担当者が自らの自治体での今後の運用に向け、熱心に説明を聞く様子が窺えました。
プロジェクトでは引き続き「建築制度の運用ハンドブック」の普及、全国展開に向けて全市を対象としたセミナーをカウンターパート機関である都市開発・住宅省(MIDUVI)とエクアドル自治体連合(AME)と計画しており、プロジェクトのパイロット市だけではなく、エクアドル全国の建築制度の運用体制の整備と建築物の耐震化に向けて、着実に活動が進められています。

作成:熊谷雄(長期専門家)

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JICAエクアドル事務所秋山事業総括挨拶

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MIDUVIルアレス氏によるエクアドル建築基準、2016年地震の教訓

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国家危機管理・緊急対応機関(SNGRE)セロリオ部長による発表

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ポルトビエホ市役所ゲロン氏による建築制度運用事例発表

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サリナス市役所スアレス氏による建築制度運用事例発表

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ESPE大学イェペス氏による「建築制度運用ハンドブック」の紹介