「津波避難計画策定ワークショップ in ガラパゴス」を開催しました

2021年9月6日

国家危機管理・緊急対応機関(SNGRE)が本プロジェクトの支援を受け、「津波避難計画策定ワークショップ in ガラパゴス」を8月27日(リモート)と9月6日(集合型)で開催しました。エクアドル本土の沿岸部5県26市を対象としたワークショップは6月までに終了しており、今回はガラパゴス県の3市を対象に実施しました。本ワークショップはプロジェクトの成果1「津波警報技術プロトコルにより発出された津波警報に基づき、市が住民を迅速に避難させる」の活動に関連し実施されました。

目的は以下のとおりです。
・2011年東日本大震災の事例から津波災害について理解を深める
・プロジェクトで作成した「津波避難計画策定のための技術マニュアル」を紹介する
・津波避難計画とその計画の策定方法を理解する
・パイロット市の事例を紹介する
・津波避難計画策定に向けた質疑応答、情報交換をする

エクアドル本土沖、チリ沖、中米沖や海岸部などで巨大地震が発生した場合、ガラパゴス諸島に津波が到達する可能性があります。また2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による津波が、震源から1万4,500キロを移動し、16時間をかけてガラパゴス諸島に到達しました。海上を時速760キロの速さで移動したこの津波で最大の被害を受けたのはサンタクルス島であり、この島のプエルト・アヨラ地区では警察署や銀行の建物が浸水する被害を受け、また津波警報の発令により、国立公園のゾウガメを高台に避難させるなどの対応が必要となりました。ガラパゴス諸島には年間をとおして、国内外から多数の観光客が訪れるため、津波避難計画策定や津波避難マップの早急な作成が求められており、プロジェクトのパイロット市であるサンタクルス市では日本人専門家の支援を受け、津波避難計画の策定、津波避難マップの作成、標高表示板の設置、住民への啓発活動が進められています。

本ワークショップにはガラパゴス県3市の担当者、ガラパゴス特別行政区評議会、海軍、赤十字、消防などから17人が参加し、参加者はプロジェクトで作成した「津波避難計画策定のための技術マニュアル」への理解を深めるとともに、サンクリスバル市とイサベラ市は津波避難計画策定に向けた第一歩を踏み出しました。

SNGREはJICA専門家やプロジェクトのパイロット市7市の支援のもと、プロジェクトの総仕上げ、またプロジェクト終了後の取り組みとして、ガラパゴス諸島を含めたエクアドル沿岸部全ての市に津波避難計画が策定されることを目指し、活動を進めています。

作成:熊谷 雄(長期専門家)

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ワークショップの様子(1)

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ワークショップの様子(2)

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SNGREマリア・キニョネス職員の発表

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ワークショップの参加者

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トルトゥーガ・ベイ入り口に標高表示板を設置

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「津波避難計画策定のための技術マニュアル」