第1回マルチメディアDAISY図書製作指導者養成講習を行いました。

2019年8月7日

2019年7月7日から11日にかけて、アレキサンドリア図書館の研修室で、第1回マルチメディアDAISY(注)図書製作指導者養成講習の集中講習を実施しました。
今回は、プロジェクトのカウンターパート機関である情報通信省から2名、エジプト国立図書館から2名、アレキサンドリア図書館から2名の合計6名が参加しました。
会場であるアレキサンドリア図書館には、視覚障害者を対象としたタハフセイン図書館、視覚以外の様々な障害のある人などを対象としたスペシャルニーズ図書館、デジタル録音図書部門など、利用者の様々なニーズに応える部門がありますが、それらの部門のスタッフも講習会の一部に参加し、受講者とも交流しました。

講習会では、DAISYの概要に関する講義に続いて、シナノケンシ株式会社(長野県上田市)が、民間技術普及・促進事業を通して開発した、アラビア語に対応するマルチメディアDAISY製作ツール「PLEXTALKプロデューサー」を使用して、マルチメディアDAISY図書製作の実習を行いました。5日間を通して、次の4つの演習を実施しました。
・演習1:アラビア語のPDFからテキストをインポートして構造化し、音声ファイルを同期する実習
・演習2:アラビア語のWordファイルからテキストをコピーして構造化し、マイクロフォンを使って直接録音する実習
・演習3:英語のWordファイルからテキストをコピーして構造化し、合成音声を生成する実習
・演習4:英語とアラビア語の混合の本をDAISY化する実習

実習の合間には、ディスレクシアの生徒のDAISY教科書や、精神障害者のDAISY防災マニュアル等のDAISY図書の活用事例をデモを交えて紹介したり、アレキサンドリア図書館内の関連する部門を見学しました。アレキサンドリア図書館は、すでにDAISY録音図書や、マルチメディアDAISYを活用した図書を製作した実績があるため、録音ブースを見学したり、朗読者の募集方法や音声DAISYの編集について、同部門のスタッフから説明を受けたりしました。

講習会の最後には、各受講者が選択した図書のマルチメディアDAISY化を開始し、Q&Aセッションを行いました。参加者は集中講座修了後も講師による支援を得ながら図書のDAISY化を進め、9月初めには、完成したDAISY図書の発表会を実施する予定です。

(注)DAISY=Digital Accessible Information System:アクセシブルな情報システム。
目次から読みたい章や節、任意のページに飛ぶことができるDAISY録音図書(音声DAISY)、音声にテキストや画像をシンクロ(同期)させることができるマルチメディアDAISYなどがあります。

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アレキサンドリア図書館長のAmgad氏による開会の挨拶

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講習会の講義の様子

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DAISY図書製作実習の様子

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DAISY製作実習の様子

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タハフセイン図書館ツアー

【画像】集合写真