第2回マルチメディアDAISY図書製作指導者養成講習を行いました

2019年11月20日

11月3日から7日にかけて、第2回マルチメディアDAISY図書(注1)製作指導者養成講習の集中講習をカイロのエジプト国立図書館で実施しました。

今回は、プロジェクトのカウンターパート機関である情報通信省、エジプト国立図書館、アレキサンドリア図書館より各4名、合計12名が参加しました。また、第1回講習の受講者の内5名がメンターとして、JICAの民間技術普及・促進事業でDAISY講習を受講したアレキサンドリア図書館デジタル録音図書部門の職員2名がアシスタントとして、今回の講習に参加しました。
講習会では、第1回と同様にDAISYの概要に関する講義に続いて、「PLEXTALKプロデューサー(注2)」を使用したマルチメディアDAISY図書製作の実習を行いました。5日間を通して次の6つの演習を実施しました。

・演習1:英語のWordファイルからテキストをコピーして構造化し、合成音声を生成する実習
・演習2:アラビア語のWordファイルからテキストをコピーして構造化し、マイクロフォンを使用し直接録音する実習
・演習3:英語のWordファイルからテキストをコピーして構造化し、音声インポートする実習
・演習4:英語とアラビア語の混合の本をDAISY化する実習
・演習5:アラビア語のPDFからテキストをインポートして構造化し、音声ファイルを同期する実習
・演習6:英語のWordファイルからテキストをコピーし表やリストを含め構造化し、合成音声を生成する実習

今回の講習では、プロジェクトの現地スタッフ2名に加えて、これまでに同様の講習を受講した参加者によるサポートもあり、主にアラビア語での講習を実現できました。

講習の中では、第1回講習の受講者が製作したDAISY図書を、今回の受講者に紹介し、製作についての経験等を共有しました。情報通信省の受講者はJICAのプロジェクトで作成した農業に関する女性のエンパワメントについての資料、エジプト国立国会図書館の受講者は子ども向けの科学の絵本と政治史の本、アレキサンドリア図書館の受講者は全盲の作家タハ・フセインの伝記のDAISY図書製作を開始しました。

今後、受講者12名はメンターや講師による支援を得ながら図書のDAISY化を進め、12月末には完成する予定です。

(注1)DAISY=Digital Accessible Information System:アクセシブルな情報システム。
目次から読みたい章や節、任意のページに飛ぶことができるDAISY録音図書(音声DAISY)、音声にテキストや画像をシンクロ(同期)させることができるマルチメディアDAISYなどがあります。

(注2)「読書障害者用DAISY図書製作ソフトウエア普及促進事業」を通してシナノケンシ株式会社が開発した、アラビア語対応のマルチメディアDAISY図書製作ソフトウェア。

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エジプト国立図書館の図書館セクター長Dr. Emad氏による開会のあいさつ

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集合写真

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DAISY製作実習の様子

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DAISY製作実習の様子

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DAISY製作実習の様子

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DAISY製作実習の様子