リモートでDAISY図書製作指導者研修を行っています

2020年7月29日

コロナ禍のなか、プロジェクト2年目の活動がスタートしています。エジプトでも新型コロナウィルスが猛威をふるっており、2年目の活動の大きな目玉のひとつである第3回DAISY図書製作指導者研修は、完全な遠隔操作で行うこととなりました。研修は1年目に行ったものと同様、1週間の集中講習を行った後に、受講者が各自でDAISY図書を製作する実技研修を専門家がフォローアップするという構成です。集中講習の第1バッチが、7月19日から26日にかけて5日間の日程で行われました。自宅から講習に参加する受講者6名に対して講師3名が、日本とエジプトから、時に受講者の端末を遠隔で操作しながら、実践的なDAISY図書製作の方法を指導しました。このような実践的な講習を遠隔で実施するのは、指導経験豊富な講師にとっても初めての経験であり、不安もありましたが、事前にシミュレーションを重ね、入念な準備を行ってきた甲斐あって、成功裏に予定していたプログラムを終えることができました。参加した受講者からもポジティブなコメントがありましたので、ご紹介します。

オンラインでの講習はとても役立った。インターネットの接続問題も乗り越えることができた。少人数のグループに分かれるbrake out roomの活用、またプログラムもよかった。研修で必要なマテリアルを紙とデータで受け取れてとても役立った。
講習で学んだ考えを広めるだけでなく、勤務している図書館のなかで製作を継続できるようにしていきたい。(Howuda Araby Mahmoud)

国立国会図書館の視覚障害者向けサービスのセクションで働いているので、この講習はとても役に立った。今までは視覚障害者向けサービスで何ができるのか、何をしたいのかという問いに直面していた。今、この講習で学んだことを通して、DAISY図書を増やして必要な人にアクセシブルな図書を届けたい。これからの自分がする活動を楽しみにしている。(Marwa Mounir Hegazy)

コロナ禍で先が見通しづらい状況ですが、第1バッチの集中講習を終えてみて、遠隔でもこのような実践的な講習ができることがわかったことは、プロジェクトチームにとってもひとつの自信につながりました。パンデミックという非常事態において、情報へのアクセスを保障するということは、非常に重要な課題です。情報アクセシビリティの改善を推進するため、今後も創意工夫を重ねながら、プロジェクト活動を行っていきます。

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シナノケンシ株式会社が開発したアラビア語対応マルチメディアDAISY製作ソフトウェアを使用しています。

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テキストのハイライトと音声を同期させて再生できることがマルチメディアDAISYの大きな特徴で、様々な読みの困難のある人が、読んで理解することをサポートできます。

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デモで、WHOのウィルス感染予防に関する資料をDAISY化しています。

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集中講座の最終日、参加した受講者、講師、補助講師(昨年の研修受講者)全員が参加し、今後の計画などについて議論しました。

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