エジプト国JICA技術協力プロジェクト「情報アクセシビリティの改善による障害者の社会参画促進プロジェクト」2020年の活動

2021年2月5日

2020年6月から始まった第2期「情報アクセシビリティの改善による障害者の社会参画促進プロジェクト」では、24名のDAISY図書製作者がインターネットビデオ会議システムを使った遠隔での集中研修(TOT)を受講し、第1期(2019年度)に養成された18名と合わせ、合計42名のDAISY図書製作者が養成されました。第2期の研修修了者24名は、コロナ禍という厳しい状況の中、日本及び現地在住の講師が、メールやSNS、ビデオ会議システムにて細やかな個別の実技指導とフォローアップを行い、それぞれが選択した図書のDAISY図書化に取り組んでいます。これらが完成した後、エジプト情報通信省(MCIT)が開設するポータルサイトに掲載されることになっており、現在その運用開始に向けた準備が行われています。

さらには、2020年11月~12月に視覚障害者2名に対し、2日間の日程で、音声DAISY製作のミニトレーニングを実施しました。参加者からは、研修内容について、高い評価をいただくと共に、トレーニングの構成等に関し、視覚障害者の立場からの改善点の提案などもいただき、その後のトレーニングプログラムの改定に役立てることができました。このように、受講者は非常に熱意があり、遠隔でのトレーニングではあるものの、受け身な研修ではなく講師・受講生ともに研修を作り上げていくという大変有意義な結果となりました。今後ミニトレーニングの受講者は利用者であり同時に製作者でもあるという立場で、積極的にDAISY図書の普及にかかわっていくことが期待されています。

2021年はコロナ禍のなかで、読みに困難を抱える人々が安全に生活するために不可欠な緊急情報を含む新型コロナウィルスに関連する文献を中心にしたDAISY図書コレクションを製作する予定で準備を進めています。エジプトでのDAISY図書普及に向けて、現地の方々と共に今後も精力的に活動をつづけていきます!

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TOTトレーニングトレーナーと、インターネットビデオシステムを使い研修を受ける受講生

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視覚障害者対象のミニトレーニングで講師から受講者にDAISY図書を紹介している様子

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視覚障害者対象のミニトレーニングで、受講者が音声デイジーを製作している様子

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視覚障害者対象のミニトレーニング受講者と講師。インタラクティブな形式で、双方のやり取りを密に行いながら研修を実施していきました。

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障害当事者の参加者。両腕が使えず、足で通常のマウスをスムーズに操作をしながら参加してくださいました。操作のスピードも他の受講生と同じく大変スムーズでした。