病院前診療に関するガイドライン・マニュアル等の階層別(職種別)・機能別(観察・判断・処置の内容)整理の取りまとめを目的としたワークショップの開催支援

2017年9月1日

エルサルバドル国では、保健省が2012年に救急医療局を新設した後、2014年に首都圏に救急医療システムを導入し病院前診療の提供を本格的に開始しました。現在は、保健省と赤十字社、緑十字社、救助部隊などの非営利団体など、複数の組織が病院前診療に携わっていますが、病院前診療サービスを提供する全組織が体系的に業務に携わる体制が整備されておらず、各組織が独自にサービスを提供しているのが現状です。プロジェクトの目標であるサンサルバドル首都圏における質の確保された病院前診療の提供を実現するためには、すべての関係組織が協力してその活動に参加することが求められるため、保健省を中心に各組織が体系的に病院前診療に携わる体制の構築を目指して、プロジェクトでは、(1)研修計画の策定、(2)処置手順の階層別・機能別チェックリストの作成、(3)インシデントコマンドシステム(注)のチェックリストの作成の3つのテーマのもとに2日間(2017年8月22日~8月23日)のワークショップの開催を支援しました。ワークショップは、各組織からの参加者が病院前診療の強化へ向けて積極的に議論し、エルサルバドル国の病院前診療の統一研修プログラムの策定、処置手順の標準化や、関係各組織と保健省の連携の強化を合意する貴重な機会となりました。

(注)インシデント・コマンド・システム(現場指揮システム、ICS)は、米国で開発された災害現場・事件現場などにおける標準化されたマネジメント・システムのこと。

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