小規模プロジェクト(2)効率的なティラピア養殖

2022年9月16日

過去3年間で、フィジーのティラピアの種苗の需要は約3倍に増加しています。(2018年では約100万個体、2021年では約200万個体。)しかし、これら種苗の生産基地であるフィジー水産省管轄のナンドロロ養殖場(Naduruloulou Research Station)では、これら需要を賄えるだけの種苗の生産量に追い付いていないのが現状です。さらに、過去3年ではサイクロンの影響に加え、毎年11月から4月に起こる大雨により、池が氾濫し、生産する魚は大きなダメージを受けます。

これら状況を鑑み、ティラピアの種苗生産の効率化を図るとともに、フィジーの養殖家への安定的な種苗の供給を目的として、本小規模プロジェクトを行うこととなりました。本小規模プロジェクトでは、(1)孵化場および池内において、稚魚の生産、種苗の生残率や成長効率の比較を行う、(2)最も効率的(生残率、成長効率、コスト面などの観点から)な種苗生産の方法を確立するとともに、最終的には(3)フィジー国内での効率的なティラピア種苗生産のマニュアル化を行い、農家に対する助言ができるまでに能力向上させることを目標としています。SDG14プロジェクトでは、種苗生産に必要な、ネット、生け簀、顕微鏡などの機材の調達をしており、さらにはナンドロロ養殖場の池の改修や排水工事も完了しております。ここから、より効率的なティラピア生産に向けた活動が、より一層加速していきます。

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ナンドロロ養殖場のティラピア

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リノベーション前の池

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改修工事中の池

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調達した機材をナンドロロに搬送