研修レポート1 水産資源管理・保全研修(フェーズ2)

2023年5月1日

今回からのプロジェクトニュースでは、前回お伝えした水産省向けの能力開発研修の詳細を4回に分けてレポートします。今回は、漁業資源管理・保全研修についての詳細をお伝えします。

1.沿岸資源管理研修(2023年1月23日から27日)

本研修では、Joeli Veitayaki博士およびEsaroma Ledua氏(USP)を講師として招き、合計12名の水産省職員が参加しました。主な研修の目的は以下の通りです。

・持続可能な沿岸資源の管理・保全および生計向上の両立
・小規模プロジェクトの進捗確認・振り返り
・データ収集およびその管理

また、前回の記事の通り、本研修内の議論な中で、水産省経済計画・政策・統計課は、小規模プロジェクト「モトリキ島の沿岸漁業の調査」のプロポーザル作成を行い、この案はJICA専門家・講師および他の水産省職員によって承認されました。本小規模プロジェクトは、2023年3月からスタートされており、JICA SDG14プロジェクトも、調査に必要な耐水カメラ・GPS・タブレット端末などの調達を行うなど、支援をスタートさせています。

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沿岸漁業資源管理研修参加者

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ジョエリ博士による講義(沿岸漁業資源管理研修)

2.沖合漁業資源管理研修(2023年1月30日から2月3日)

本科目では、開催に当たりUSPのSatalaka Petaia博士およびEsaroma氏を講師として招き、水産省から8名の参加者が会場であるUSPに集いました。講習の内容は多岐に及び、主に以下の内容の講義が提供されました。

・フィジー政府による沖合の海洋保護区(MPA)制定と経済活動の両立について
・昨今の海外情勢がフィジー沖合漁業に及ぼす影響
・漁業統計について
・沖合漁業を取り巻く商業活動が環境に及ぼす影響
・沖合の生計向上と政府の政策立案の関係性について

さらに、実習の一環として、レブカ島のツナ缶製造工場の訪問、およびデナラウ島およびシンガトカ付近の海域で操業する観光客向けゲームフィッシング会社の訪問を実施し、MPA制定が及ぼす影響についての聞き取り調査を行いました。これら実習では、日ごろの水産省の業務では関わらない、水産加工業や観光業の関係者と交流する良い機会となり、政府が立案するMPA設立のポジティブな影響のみならずネガティブな影響も聞き取ることが出来、水産省職員としての知見が広がったとして参加者からの意見が得られました。

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ツナ缶工場を訪問し聞き取り調査を実施(沖合漁業資源管理研修)

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ツナ缶工場訪問の振り返り(沖合漁業資源管理研修)

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ゲームフィッシングオーナーへの聞き取り調査実施1(沖合漁業資源管理研修)

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ゲームフィッシングオーナーへの聞き取り調査実施2(沖合漁業資源管理研修)