研修レポート4 ポストハーベスト&水産加工研修(フェーズ2)

2023年5月1日

プロジェクトニュースでは、研修レポートと題して、水産省向けの能力開発研修(フェーズ2)の詳細を4回に分けてレポートしています。今週レポート最後となる今回は、2023年1月16日から27日に南太平洋大学(USP)にて開催したポストハーベスト・水産加工研修についての詳細をお伝えします。

ポストハーベスト・水産加工研修では、USPのJanice Natasha氏およびBinesh Raj氏を講師として招きました。(水産省職員14名が参加。)参加者は、水産物の品質管理や付加価値向上といった様々な水産加工・ポストハーベストの知識を学び、さらに、実習形式の研修を通して、微生物検査・重金属検査・ヒスタミン検査といった品質管理にかかわる経験を積むことが出来ました。また、スバ市内の水産加工場や水産市場を訪問することで、講義で学んだ知識をもとに水産加工にかかわる現場の見学をする機会も与えられました。

さらに、2023年2月22日、Janice氏、Binesh氏に加え、Joeli Veitayaki博士(SDG14プロジェクトがコンサルタントとして雇用)およびJICA専門家(田村實専門家および水野翔太専門家)で、ラウトカを訪問し、漁民、仲買人、ラウトカ漁業協同組合メンバー、フィジー産業貿易省そして水産省メンバーを集め、合同委員会を開催しました。この会合では、水産省西部地方事務所がSDG14プロジェクト下で行っている小規模プロジェクト「漁業資源の持続的な利用を通じたラウトカ漁業協同組合の経済的利益・機会の最大化」の内容について、進捗や今後の予定を話し合いました。その本小規模プロジェクトの一環として、現在は、販売されている水産物の品質向上を目的として、ラウトカ魚市場の魚のディスプレイ方法の改善を行っています。ラウトカ魚市場では、地べたで水産物が販売され、水産物が埃や温度の上昇にさらされやすい環境で販売されるなど衛生面に問題があります。そのため、SDG14プロジェクトでは、すでに水産物保管用のチェストフリーザーを調達し、今後はディスプレイ用のスチールラックを購入するなど、品質の向上を目指す目的で様々な活動を行う予定です。

なお、本科目を担当する講師であるJanice氏およびBiensh氏は、他の講師と比較し若手コンサルタントですが、水産省の職員、漁民、漁業協同組合のメンバーなど様々な関係者を巻き込みながら研修を展開しており、フェーズ3以降の期待も高い研修となっています。

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微生物検査の実習(ポストハーベスト&水産物加工研修)

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水産加工場訪問(ポストハーベスト&水産物加工研修)

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南太平洋大学Binesh氏によるヒスタミン検査実習(ポストハーベスト&水産物加工研修)

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集合写真(ポストハーベスト&水産物加工研修)

これまで、4回に分けて2022年12月から2023年3月に実施された能力開発研修のレポートを行いました。これまでの記事でも記載の通り、SDG14プロジェクトは、フィジーの水産分野のSDG14達成に向けて、様々な研修および小規模プロジェクトの支援を行ってきました。新年度がスタートした2023年4月からも、本プロジェクト専門家は引き続きフィジーの水産分野の支援を継続していきます。