収穫目前!一般農家への稲作適正技術普及に向け、フィールド・デイを開催

2019年9月25日

プロジェクトでは、試験圃場における検証を通じ、生産性の安定化と収益性の向上を目指すための稲作栽培技術を「稲作適正技術パッケージ(OIRiC:Optimum Input Rice Cultivation)」として取りまとめました。OIRiCは、次の5つの核となる点から構成されています。

1.保証種子の利用
2.健全な苗の育成と利用
3.適切な栽植距離・播種量
4.最適な窒素肥料投入量
5.灌漑水の効率的な利用

この技術パッケージは、水利組合のリーダーを対象にした研修を通じた稲作農家への普及をめざしています。プロジェクトは、研修を受けたリーダーの田んぼの一部を「サテライト・デモンストレーション圃場(以下、デモ圃場)」として活用し、学んだ技術の実践とそのモニタリングを支援しています。この「デモ圃場」では、同じ水利組合の一般農家が、身近なリーダーが実践する生産性・収益性の高いコメ作りを、日常的にその目で見ることができるため、一般農家への技術普及の有効な足掛りになることが期待できます。

9月25日、同灌漑地区に存在する15の水利組合のうち、最上流に位置するAK/C1組合のリーダーが取り組む「デモ圃場」において、近隣の一般農家に見学してもらう「フィールド・デイ」を開催しました。圃場は収穫を間近に控えており、コメがたわわに実っています。プロジェクトが推奨する稲作技術が適用され、リーダーの努力の甲斐もあってか、稲穂は揃っており、圃場の状態は良好です。
プログラムのオープニングでは、プロジェクトのチーフアドバイザーである高橋専門家が、適正技術であるOIRiCの実践の有効性について説明し、「今日のフィールド・デイを、参加農家が自らの栽培技術を見直し改善していくきっかけとしてほしい」と話しました。
その後、実際に技術を実践したリーダーが圃場を目の前にその体験を語り、カウンターパートの農業普及員がそれを補足説明しました。参加者である一般農家からは、分けつ数や収量等について、活発な質問やコメントも出されました。

フィールド・デイは、この水利組合だけではなく、今後随時、他の水利組合でも開催する予定です。

【画像】稲作適正技術パッケージ:OIRiC

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高橋チーフアドバイザーによるオープニングスピーチ

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稲穂を前に、普及員が補足説明をしている様子