専門家の現場復帰-プロジェクト活動の総仕上げへ

2021年1月31日

待望のガーナへの帰任

2021年1月、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により専門家が一時帰国をしてからおよそ9ヵ月、プロジェクト専門家チームは、ようやくガーナに帰任することができました。プロジェクトサイトで、カウンターパート達は変わらぬ笑顔で「おかえり」と迎えてくれました。専門家不在の間、専門家と連絡を取りながら意欲的に活動を推進してくれたカウンターパート、プロジェクトスタッフに、改めて感謝です。これから再び現場で働くことができる有難みを胸に刻み、気持ちを新たに活動に取り組んでいきます。

取り組み課題-活動の総仕上げへ

プロジェクト期間は、当初2021年1月末までだったところ、終了時評価の提言を受けて5カ月間延長され、2021年6月末までとなりました。しかし、一部の専門家は任期が2021年3月末までです。現場に戻ることができたとは言え、残された時間は決して長くはありません。
プロジェクトの残り期間に実施すべきことは多くありますが、中でも重要なのは以下の三つです。

1)一般農家を対象とした研修の実施
プロジェクトはこれまで、主に水利組合のリーダーを対象として技術研修を行ってきましたが、終了時評価では、対象を一般の農家にも広げることが提言されました。提言に従い、プロジェクトは、プロジェクト終了まで、より広範囲の農家を対象に研修を実施すべく準備を進めています。この取り組みを通じて、プロジェクト終了後も引き続き、カウンターパートが自立的に農家への能力強化を継続できる仕組み作りも支援します。

2)プロジェクト成果のとりまとめと普及
約5年間のプロジェクトの成果を、ガーナのカウンターパート機関関係者だけでなく、他の農業関係者やドナー等にも、広く周知するため、プロジェクトの成果発表会を開催する予定です。また、これまで培ったノウハウや技術、研修内容を冊子にまとめ、全国の灌漑地区に配布します。

3)今後の取組みの自立的、持続的発展のための体制強化
プロジェクト完了後も、これまでの活動成果を踏まえ、自立して取り組みが継続されることが大切です。このような観点から、水利組合の連合体の設立や種子生産者団体の法人化、営農技術普及のためのサテライトほ場にかかる民間連携促進など、持続的な取り組みを支える体制の強化を図ります。

ガーナでも、他の多くの国同様、新型コロナ感染症との戦いはまだ終わってはいません。新型コロナ感染症の拡大予防策を取りつつ、プロジェクト活動の総仕上げに注力していきます。

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丘の上にあるプロジェクトオフィスからプロジェクトサイトの灌漑地区を望む

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研修を受けた農家の実践状況について聞き取りを行うカウンターパート

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向かって左:カウンターパート:Mr. Joseph NARTEY、KIS Scheme Manager、中央:高橋徹専門家(総括)、右:南雲 孝雄専門家(プログラム調整)